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梅村知世&吉武 優ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.28 》
2014年3月7日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 今夜のパウゼでは≪東京芸術大学表参道フレッシュコンサートVol.28≫梅村知世&吉武優ピアノジョイントリサイタルが開催されました。共に東京芸術大学大学院修士課程を卒業され、現在はベルリン芸術大学で更なる研鑽を積まれているお二人による「アルベニスとシューマンの夕べ」。二人の大作曲家に対するそれぞれのアプローチを一晩で堪能できる大変意欲的な企画であり、筆者も本日の演奏を楽しみに出かけてきました。

 まず、最初に演奏されたのは梅村さんによるアルベニスのイベリアより「エヴォカシオン」と「トゥリアーナ」。印象派風の響きとスペインの様々な情景を喚起させる叙情性が一つに溶け合った素晴らしい演奏でした。梅村さんの演奏の特徴はとても感情豊かでしなやかなタッチでありながらそれを全体の響きの中で立体的に聴かせることのできる手腕にあると筆者は感じました。

 吉武さんによるシューマンのフモレスケ変ロ長調作品20は大変エネルギッシュな熱演でした。シューマンのピアノ作品は浪が次々に覆い被さるような怒涛の表現と長さが特徴的ですが、吉武さんの演奏はその素晴らしい情熱と共に一つ一つのセクションの意味付けがとても明確で、決して飽きさせることのない機知に富んだものでした。

 後半は引き続き吉武さんが最初に演奏されましたが、前半と組み合わせが代わって今度はアルベニス。イベリアより「エル・プエルト」と「セビーリャの聖体祭」です。前半の梅村さんのアルベニスとは全く異なるアルベニスへのアプローチ。とりわけ「セビーリャの聖体祭」での熱狂とその後に訪れる静寂の対比のドラマ性がとても印象的でした。

 締めくくりは梅村さんによるシューマンの謝肉祭〜4つの音符による面白い情景〜作品9。シューマンのよりロマンティックな面が引き立てられ、一つのモチーフが各々の情景に色とりどりに変容して行く様が愛情深く表現されていました。まるでメルヘンの世界にいるような詩的な楽しさと情熱的なファンタジーが融合したシューマンならではの世界を堪能しました。

 シューマンとアルベニスのピアノ作品の最高峰に対するお二人の異なる視座からの豊かなアプローチ。大満足のお客様の拍手に応えられお二人で演奏されたのは本日が誕生日であったラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。熱演の後の名残惜しい優雅な一時を筆者も会場のお客様と共に過ごさせて頂きました。

(G.T.)

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