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関野直樹のミュージック・ショットバーVol.3 開催レポート
〜 クリスマス、津軽三味線とピアノの饗宴 〜
2013年12月25日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
本日はクリスマス当日(!)ということで、パウゼでも一味違ったコンサートが開催されました。演奏・ヴィジュアルとも素敵なピアニスト関野直樹さんが、ゲストに森永基木さんをお迎えし、さらに若手ピアニストの折居吉如さんを加えて「ミュージック・ショットバー」と称するコンサートを開いたのです。会場ではワインが振る舞われ、お客さんはワインを片手にピアノと三味線のコラボレーションを楽しむことができます。プログラムには「幻想」をテーマに、ファンタジックな曲が多々選ばれました。最初は出演者3名のソロ曲のお披露目になりました。まず、関野さんが日本で最も人気のクラシックナンバーと言えますショパンの幻想即興曲と夜想曲ハ短調を、大変優雅なタッチで演奏されました。続いてご登場の折居さんは何とまだ高校生(!)ですが、そのようなことを考えさせない堂々たる態度で、スクリャービンの幻想ソナタをスリリングに演奏されました。折居さんは今回の演奏会ではこの幻想ソナタのみのご出演ですが、ぜひ今後のご活躍も拝見したい若手ピアニストでした。そしていよいよ三味線の森永さんがご登場。ご自分で作曲された「風舞」を関野さんと共演の後に、「津軽あいや節」「津軽」とソロ曲を次々と披露されました。打楽器のような力強さから弦楽器のピッツィカートのように繊細な響きを併せ持った津軽三味線の音色に、会場の空気はぐっと惹きこまれていました。
後半は三味線とピアノの饗宴をメインとしたプログラムになりました。クリスマスの人気曲からオリジナルの楽曲まで多彩なジャンルをこなしてしまう森永さんと関野さん。「三味線コンチェルト」では2つの楽器の対比を巧みに活かしたアンサンブルを、「戦場のメリークリスマス」では、ちょっと切ない音色を聴かせてくださいました。そして特にお2人の表現力が引き出されていたのが森永さんご自身の作曲による「想」森永さんの情熱的な三味線の響きと歌心に、会場はじっと耳を傾けていました。最後のコラボレーション演奏になります民謡「田原坂」は、森永さんの歌声も聴くことが出来るプログラム。客席からも思わず旋律を口ずさむ声が聞こえ、演じ手と聴き手の一体感を感じた瞬間でした。
最後には関野さんが「幻想曲」と名のつくピアノ曲の中でも壮大なリストの「ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲」を演奏されました。今宵の大変内容の濃いプログラムにふさわしい圧巻の演奏に、会場からは大きな拍手が湧きました。3名の演奏家さんから贈られた素敵なクリスマスプレゼント、まさにそう称することのできるコンサートだったと思います。
(A. T. )
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