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レ・サンドワ
10人のピアニストによるアンサンブルコンサート開催レポート
〜百本の指たち〜
2013年12月17日(火) 19:00開演(18:30 開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 

 10人のピアニストによるアンサンブル・コンサート「レ・サンドワ」。連弾、2台ピアノ、6手……と様々な組み合わせで、オーケストラ曲を含む幅広い名曲を演奏。ピアノのアンサンブルってバラエティ豊かなんですね。

 メンバーは、希代智子、小林裕子、塩塚美知子、立石智子、西川麻里子、鳥羽瀬宗一郎、秦江里奈、皆川純一、山内のり子、山本佳世子の皆さん(50音順)。洗足学園音楽大学を職場とする同僚で、コンサートはこれで3回目。息もぴったりです。

 冒頭はモーツァルトの歌劇「魔笛」より序曲(レースラー編)で、華やかな幕開けです。第1ピアノ:立石さん・小林さん、第2ピアノ:西川さん・山内さん。4人で間合いを取りながら同時に和音を奏で、重なり合う弦楽のパッセージに俊敏に対応。ソロでは味わえない迫力です。

 グリーグの「ノルウェー舞曲・作品35−1」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ(アンダーソン編)」は連弾で、プリモ:希代さん、セカンド:皆川さん。素朴で心が和むグリーグの音楽は、冬にぴったりです。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は、このピアノ連弾版で新たな魅力に開眼。切なくて美しい。

 同じくラフマニノフの「ワルツとロマンス」は、秦江さん、山内さん、山本さんの3人で連弾。洒落た大人のワルツとロマンティックな愛の歌が、音域をワイドに使って表現されました。

 ガーシュインの「I GOT RHYTHM変奏曲」は、第1:小林さん、第2:鳥羽瀬さん。ジャジーな音楽で、パッと明るく陽気な気分に。大胆な変奏曲です。

 前半最後の曲は、ベートーヴェンの「交響曲第7番より第1楽章(キルヒナー編)」。第1:立石さん・西川さん、第2:山本さん・塩塚さん。偉大な交響曲の音構造をピアノで演奏するというのは刺激的ですね。

 後半の最初はモシュコフスキの「華麗なワルツ(グルリット編)」。第1:小林さん・皆川さん、第2:鳥羽瀬さん・希代さんで、踊り明かしたくなるようなゴージャスなワルツです。

 ドビュッシーの交響組曲「春」より第1楽章(ビュッセール編)は連弾で、プリモ:立石さん、セカンド:西川さん。神秘的で、春の柔らかな光に満ちあふれて。

 バルトークの「ミクロコスモス」より『7つの小品』は、第1:塩塚さん、第2:山内さん。挑戦的なリズム、和声。ユニークでエキゾチックで、心惹かれます。

 最後は大曲、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」より、『イゾルデの愛の死』で、第1:山本さん・皆川さん、第2:鳥羽瀬さん・泰江さん。大編成のオーケストラの音響を、ピアノではトレモロで音の厚みを出します。壮大なスケールの愛のドラマが力強く演奏され、会場は大きな拍手で包まれました。

 アンコールは10人全員(1台に5人)による、「きよしこのよる」と「アヴェ・マリア」。聖なる調べに、静かに耳を澄ませました。想像を超えて魅力的なピアノ・アンサンブルの世界。これからも注目です。

(H.A.)

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