トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2013年 > 安曽麻里江&安曽絢香 ピアノジョイントリサイタル > 開催レポート

安曽 麻里江&安曽 絢香 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
くにたちサロンコンサートin表参道シリーズVol.16
2013年12月5日(木) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 〈くにたちサロンコンサート in 表参道シリーズ〉のVol.16は、安曽麻里江さんと安曽絢香さんのジョイントリサイタルです。お二人は双子の姉妹。それぞれの個性が相俟って、どのような音楽が生み出されるのでしょうか。

 最初は麻里江さんが、優雅な白のドレスで登場。曲目はJ.S.バッハの「イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV.808」です。プレリュードに始まり、アルマンド、クーラント……と展開するこの楽曲を、しなやかに演奏。柔らかなバッハ、穏やかな音色に魅せられました。

 続いて絢香さんが、色違いのターコイズブルーのドレスで登場。曲目は一転して現代的な、リゲティの「ピアノのための練習曲集 第2巻 第13番『悪魔の階段』」です。何度も上昇を続ける、不気味な音の塊やモチーフ。上り詰めては青白い炎を燃え上がらせているかのよう。それを自然体で弾きこなす、シャープな個性に驚きました。絢香さんはさらに、現代曲をもう1曲。田中カレンの「テクノ・エチュード」では、執拗に反復される一定のリズム・パターンが鉄骨仕様の建造物を思わせ、まさに今という時代を音で表出しました。

 全く異なった二人のそれぞれの個性に魅了されたところで、リサイタルは後半へ。冒頭でバッハを演奏した麻里江さん、今度はフォーレの「バラード 嬰ヘ長調 Op.19」です。ロマンティックで幻想的なこの楽曲を、極めて流麗に、繊細な音で演奏。音の流れはどこまでも留まることなく、めくるめく展開を見せ、夢のような美しさを湛えていました。

 前半で現代曲を演奏した絢香さんは、リストの「バラード 第2番 ロ短調」。美しいメロディーとドラマティックな展開は、リストならではの魅力に溢れていました。

 そしてついにラスト。姉妹での連弾で、ツェルニーの「華麗なグランドソナタOp.10より第1・4楽章」です。絢香さんがプリモ、麻里江さんがセコンドで、焦がれる思いが溢れ出るような第1楽章を、熱い思いを込めて演奏。見事なテクニック、ハーモニーの融合で、さすが息がぴったりです。第4楽章ではプリモとセコンドを交代。音の響き、醸し出される雰囲気が瞬時に変わったのには驚きました。軽やかで優美なロンド。音の美しさが二人共通の個性であると思いました。会場は大きな拍手に包まれ、和やかな雰囲気の中、リサイタルは終わりました。

 それぞれのソロも良し、連弾も魅力的。今後がとても楽しみです。

(H.A.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2013年 > 安曽麻里江&安曽絢香 ピアノジョイントリサイタル > 開催レポート