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EXCITING ENSEMBLE
〜若手演奏家育成応援プロジェクト 第1回〜 開催レポート
音楽監督/金木 博幸 (東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリスト)
2013年12月3日(火) 18:30開演 18:00開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
出演:
金木 博幸(チェロ)、鈴木 慎崇(ピアノ・ゲスト)、小林 沙紀 (ヴァイオリン)、
塩川 翔子(ヴァイオリン)、濱本 実加(ヴィオラ)

 

 

 

 今晩のパウゼでは「EXCITING ENSEMBLE 若手演奏家育成応援プロジェクト」が開催されました。東京フィルハーモニー交響楽団の首席チェリストであられる金木博幸さんの監修の下、現役のプロアーティストと若手音楽家とのコラボレーションという刺激的な音楽体験が期待されます。今回はゲストとしてピアノの鈴木慎崇さんをお迎えしての第一回。数々の権威あるコンクールで入賞されすでに活躍されている三人の素晴らしい若手弦楽奏者が登場され、会場には多くの音楽ファンと共に多数の音楽関係者も集われました。

 最初に金木さんと鈴木さんによってサンサーンスの「白鳥」が大変美しく披露され、瑞々しい幕開けとなりました。そして、それに三人の若手演奏家による三つの「ソナタ」が続きます。

 最初の演目は、塩川翔子さんによるドビュッシーのヴァイオリンソナタ。端正でバランス感覚に優れた演奏でしたが、場面の切り替わりや音色の変化も見事でした。ドビュッシーの晩年の深い陰影が刻まれた心に残る演奏でした。

 続いて演奏されたのは濱本美加さんによるヒンデミットのヴィオラソナタ(Op.11-4)。独特の斬新な響きと機知に富んだリズム、バロック的な立体感覚と夢見るような抒情性が融合した傑作ですが、濱本さんの滋味深い音色はこの作品の本来の魅力を自然に引き出していました。

 前半の締めくくりは小林沙紀さんによるリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリンソナタ変ホ長調Op.18でした。筆者も久しぶりにライブでこの作品を堪能させて頂き、改めてその素晴らしさに触れることができました。それは小林さんの高い集中力と豊かな表現力によるところが大きかったと思います。

 また、以上すべてにおいて鈴木さんの絶妙のサポートと作品の特徴に応じた豊かなピアニズムがあったことは書くまでもありません。敢えて特筆すれば、ヒンデミットの終楽章の大胆な構成のメリハリやシュトラウスの緩徐楽章における甘美な右手の表現は時を忘れて引き込まれるものがありました。

 そして、休憩を挟んで本日の大団円となったのが、ブラームスのピアノ五重奏ヘ短調Op.34。金木さんの力強いチェロと鈴木さんの豊かなピアノがリードしつつ、3人の才能に溢れた素晴らしい若手奏者がこの大作に果敢に挑戦し、全体として一つのハーモニーを奏でる光景に会場も大いに沸きました。これからのEXCITING ENSEMBLEが大変楽しみです。

(G.T.)

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