トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2013年 > 務川 慧悟 ピアノリサイタル > 開催レポート

務川 慧悟 ピアノリサイタル 開催レポート
《2012年 日本音楽コンクール 入賞者シリーズ》
2013年11月11日(月) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 11月11日(月)、「務川慧悟ピアノリサイタル」(2012年日本音楽コンクール入賞者シリーズ)が開催されました。第81回日本音楽コンクール(2012年開催)で、ピアノ部門第1位、野村賞、井口賞、河合賞を受賞された務川さん。現在は東京藝術大学音楽学部2年在学中のまさに若手ピアニストさんです。演奏会当日は急に冬がやって来たような厳しい冷え込みとは裏腹に、会場のパウゼは大勢のお客様で活気に満ちていました。

 さて、満員御礼の中、大きな拍手で舞台に迎えられた務川さん。まず、主題と21の変奏から成るヘンデル《シャコンヌ》HWV 435を演奏されました。技巧的な変奏も多く含まれていますが、務川さんの見事な指さばきには誰もが圧倒されたことでしょう。1曲目から、務川さんの世界観が全開!!この先の演奏がますます楽しみになりました。

 続いては、ショパンから《バラード 第1番》op. 23、《ノクターン 第17番》op. 62-1、《幻想ポロネーズ》op. 61の3曲。務川さんは、上品・純潔で、時に控えめで悲哀を感じさせるショパンの心の声に寄り添いつつ、作品を通じて、ご自身の感情や解釈もしっかり表出されており、強烈な印象を受けました。中でも《バラード》は、その大胆な解釈に非常に関心をもちました。

 後半はフランク《プレリュード、フーガと変奏曲》(デムス編)、ベートーヴェン《ロンド・ア・カプリッチョ》op. 129「失われた小銭への怒り」、ベートーヴェン《ピアノソナタ 第23番》op. 57「熱情」というプログラミングでした。《プレリュード、フーガと変奏曲》はフランクのオルガン作品の中でも傑作と評価されることの多い作品です。天井が高く、静かで広い教会の神聖な空間が、オーケストラに匹敵するほど色鮮やかな音色を発するパイプオルガンの響きに満たされている…目を閉じれば、このような光景が浮かぶような演奏でした。

 続く2曲は、ベートーヴェンの正反対の性格を切り抜いたかのような選曲でした。“カプリッチョ”という単語からも分かるように、ユーモアあふれる前者に対し、張り詰めた緊張感のもと、ベートーヴェンらしい荘厳さを見せる「熱情」では、エネルギーと生命力に満ち溢れ、務川さんの情感のほとばしりを感じる瞬間が何度もありました。

 今後のご活躍、さらなるステップアップが楽しみなピアニストさんでした。

(A・H)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2013年 > 務川 慧悟 ピアノリサイタル > 開催レポート