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〜田中克己アンサンブルシリーズ 第3回〜
田中克己&谷口賢記 デュオコンサート 開催レポート
2013年9月27日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 9月も終わりに近づき、夕方には肌寒さを感じるこの頃。東京の空もすっかり秋の色となりました。本日のパウゼでは、そんな季節にもぴったりの名曲を取りそろえ、ピアノの田中克己さんとチェロの谷口賢記さんによるデュオコンサートが開催されました。パウゼでの室内楽シリーズも3回目を迎える田中さんですが、今回のパートナーである谷口さんとの相性もまた抜群の様子。お二人のお人柄がにじみ出る和気あいあいとしたトークを交えながら、最初から最後まで息の合ったアンサンブルを聴かせてくださいました。

 コンサートの前半は、憂いを帯びた低音の旋律が美しいフォーレの《エレジー》と、ベートーヴェンの円熟期の作品《チェロ・ソナタ 第3番イ長調作品69》、いずれもチェロという楽器特有の深みのある音色を存分に堪能させてくれる作品です。一方、内側から生命力の迸り出るような、田中さんの生き生きとした音も大変印象的で、ピアノは単なる「伴奏」ではなく真の共演者なのだということを改めて実感させられました。

 15分の休憩後、プログラムの裏に印字された番号に基づいて、抽選で2名の方にボトルワインのプレゼントがありました。演奏者の方からのおもてなしの心が感じられるこういう演出、うれしいですね!

 後半の1曲目は、ドビュッシーの最晩年に作曲された《チェロ・ソナタ ニ短調》。ピッツィカートやフラジオレット(倍音を利用した弦楽器の奏法のひとつ)の独特の響きをふんだんに取り入れた第2楽章の「セレナード」をはじめ、この作品の持つ様々な面白さを一つ一つ楽しんで演奏されている様子が伝わってきました。プログラムの最後を飾るセザール・フランクの傑作《チェロ・ソナタイ長調》は、原曲がヴァイオリン・ソナタだという事情もあり、チェリストにとってはかなりの難曲だとのことです。集中力を感じさせる熱のこもった演奏に、客席からは鳴りやまぬ拍手が送られました。

(N.J.)

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