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シューベルティアーデTOHO2013 〜シューベルト再発見!〜
桐朋学園大学教授陣によるシューベルト作品を巡る6日間!
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
●9月5日(木)19:00〜 
イブニングコンサート − 弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲 開催レポート

 

  

 「シューベルティアーデ」とは生前愛好家たちがシューベルトの作品を演奏するために集ったコミュニティの名称。9月2日から6日間に渡ってパウゼにて開催されている「シューベルティアーデTOHO 2013」においてはその愛好の精神を受け継ぎ、シューベルトのピアノ曲、室内楽曲、歌曲をテーマとした公開講座、桐朋学園在学中の学生によるランチタイムコンサート並びにファカルティー・コンサート(桐朋学園教員による演奏会)が執り行われています。本日第四夜は室内楽の夕べです。

 大変多くのお客様が集われ特別な一夜となった今晩の演奏会のすべてを紙面に表すことは難しいですが、筆者にとってとりわけ印象的だった点に絞って簡潔なご報告をさせて頂きたいと思います。

 プログラムの前半において演奏されたのは、弦楽四重奏曲第12番ハ短調「四重奏断章」及び弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」。とりわけロザムンデにおいては見事なアンサンブルと深い精神性に会場のお客様も音楽と一体となって聴き入っておられるようでした。第一ヴァイオリンの漆原啓子さんの奏でる美しく清らかなメロディー、第二ヴァイオリンの梅津美葉さんの覗かせる幽玄な深み、ヴィオラの川本嘉子さんの迸るパッション、長谷川陽子さんの懐深く優美なチェロ。各パートの響きの意味が明快であるだけでなく、解釈のドラマ性と響きの一体性においても素晴らしく、筆者もほんとうに感銘を受けました。

 後半はピアノ三重奏曲第一番変ロ長調が演奏されました。ヴァイオリンはカルテットに引き続き漆原啓子さん、チェロは古川展生さん、ピアノは三輪郁さんです。古川さんのお話によれば「シューベルトの偉大さ」はその総合性にあり、室内楽作品においては歌曲とはまた異なる書法的な魅力があるとのこと。その言葉通り、楽器編成の魅力が最大限に活かされた作品のエッセンスを堪能できる素晴らしい演奏となりました。とりわけ、第二楽章Andante un poco mossoにおいては、主旋律をチェロとヴァイオリンで掛け合いながらピアノがそれを優しくフォローしてゆく情景があまりに甘美で、会場もうっとりとした雰囲気に包まれました。筆者においても、古川さんの歌心に溢れた逞しいチェロの響きと漆原さんの優美な音色、そして三輪さんの優雅なタッチが忘れられません。

 シューベルトの室内楽作品の「粋」に触れた一夜に、お客様も大満足のご様子でした。

(G.T.)

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