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林 秀光 記念コンサート vol.1 
~Homage&Gratitude~ 開催レポート
2013年8月22日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 本日から、演奏と教育において日本の音楽界に優れた功績を残された林秀光先生の門下生の方々によるコンサートシリーズ『林秀光記念コンサート』が始まりました。第1回目のテーマは、“Homage &Gratitude”。ご出演されたピアニストは、諏訪由布子さん、神野千恵さん、松井利佳子さんです。御三方がご執筆されたプログラムノートには、演奏曲目にまつわる林先生との思い出のエピソードも綴られており、大変興味深く拝見させていただきました。

 最初に登場されたのは諏訪さん。モーツァルト≪ピアノソナタ ハ長調≫K.330、ドビュッシー≪レントより遅く≫、リスト≪ハンガリー狂詩曲 第13番 イ短調≫を披露されました。音楽が歌うように滑らかに流れていきます。また、モーツァルトでは無邪気で遊び心に溢れる愛らしい演奏を、ドビュッシーでは洒落たユーモアが感じられ、リストでは民俗的な土臭さ漂う白熱した演奏を聴かせてくださり、俳優が役を演じ分けるように三曲の持ち味を巧みに描き出されておりました。

 続いて神野さんがショパン≪ノクターン ロ長調≫Op.62-1、リスト≪ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲≫、ドビュッシー≪喜びの島≫を演奏されました。三曲共に音楽の方向性やそれぞれの音がもつ役割がしっかりと考えられた構成力のある演奏が印象的でした。個人的に強く心に残ったのは≪ダンテを読んで≫です。細部にまで完璧にコントロールされた音色と抜群の洞察力が曲全体を通して効果的に発揮されており、手に汗を握るような臨場感を楽しめました。

 休憩を挟み、最後は松井さんによるブラームス≪ピアノソナタ第3番 ヘ短調≫Op.5です。全楽章を通して華がありながらもブラームスならではの叙情性が絶妙に表現されておりました。中でも、空間の使い方が大変素晴らしく、会場全体に響き渡る残響を巧みに操り楽器の一部にされているような印象を受けました。ダイナミックで立体的な響きに包まれるような迫力のある演奏でした。

 最後に出演者の皆様に割れんばかりの拍手が贈られ、コンサートは幕を閉じました。御三方三様の林先生への熱い想いが伝わってくるような温かい演奏会でした。

(K.S)

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