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有森博&長瀬賢弘デュオシリーズ 開催レポート
ロシア秘選集 Vol.1「曙」
2013年7月31日(水) 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 それぞれ才能豊かな気鋭のピアニストであり、師弟という間柄の有森博さん&長瀬賢弘さんによるデュオシリーズで、ロシア秘選集vol.1「曙」と題されました。

 有森さんはモスクワで研鑽を積んだ、ロシア作品のエキスパート、長瀬さんはモスクワ音楽院で、一昨年まで7年間にもわたって研鑽を積んでいました。そうした二人だけに、ユニークな選曲が大いに期待されます。

 プログラムの前半は、ピアノ連弾です。1曲目は、ニコライ・ルビンシテインの「タランテラ・ト短調」。快調に走り抜ける小気味よいタランテラで、二人の息がぴったり合ったところをさりげなくアピールです。2曲目は、アントン・ルビンシテインの「連弾のためのソナタ・ニ長調」。気持ちよく歌い上げるような第1楽章から明るく華麗な第3楽章まで、連弾の楽しさが十二分に伝わってきました。

 アントンはペテルブルグ音楽院を、弟のニコライはモスクワ音楽院を設立。二人は後に多くの偉大なピアニストを輩出することとなる、ロシアン・ピアニズムの源流となりました。

 プログラム後半は2台ピアノです。まず、プロコフィエフ編曲によるシューベルトの「ワルツ集」です。シューベルトがプロコフィエフ仕立てになると、原曲の素直な美しさを生かしながら、よりゴージャスに洒落たワルツへと変化を遂げます。終盤では野性味溢れる和音がバシバシと出てきました。

 そしてクライマックスを飾るのが、プロコフィエフのバレエ組曲「シンデレラ」。ロシアのピアニストで指揮者のミハイル・プレトニョフが編曲したもので、原曲のオーケストラの魅力が素晴らしい形で活かされています。プロコフィエフならではの神秘的で赤裸裸、大胆で残酷なくらいロマンティックな音楽を、丁々発止とやり合いながら、猛烈な気迫で作り上げていきます。「シンデレラ」の愛の物語、華麗なバレエの舞台、躍動するダンサー達が、そこには確かに存在していました。

 連弾、2台共に、1曲目が1st・有森、2nd・長瀬、2曲目はその反対で演奏されました。

 アンコールは、ハチャトゥリアン(ゴットリーフ編曲)「剣の舞」、バッハ(レーガー編曲)「アリア」、ブラームス「ハンガリー舞曲第6番」の3曲。連弾、2台ピアノの素晴らしさを、真に満喫した一夜となりました。

(H.A)

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