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日本ショパン協会 第263回例会
文 京華 ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.20》
2013年
7月27日(土) 18:30開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 ベルリンでの9年間にわたる留学生活を終えて帰国した、文 京華さんのリサイタルです。留学生活の集大成でもあるといいます。

 ピアノが持つ様々な側面を、できる限りたくさん伝えられるようなコントラスト豊かなプログラムを、と試行錯誤する文さん。プログラム前半は、ソロ楽器としてのピアノに注目します。

 1曲目、モーツァルトの「ソナタ第3番K.281」。愛らしい第1楽章、清らかな歌に満ちた第2楽章、疾走するさわやかな第3楽章で上々のスタートです。続いてショパン。「幻想即興曲」と「バラード第1番」を、切々とドラマチックに演奏しました。

 前半の最後を締めくくったのが、シマノフスキの「変奏曲Op.3」。物静かな哀愁のテーマから始まり、ちょっと濁ったユニークな和音の響きに新しい音楽の予感。そうこうしているうちに各々個性の異なった変奏曲が、次から次へとエネルギッシュに展開していきました。曲の終結部は、冒頭からは想像もつかないような絢爛豪華さ。文さんは“様々な要素を詰め込むだけ詰め込んだようなアンバランスさが、この曲の面白さになっている”と自身でプログラムノートに書いています。納得です!

 後半は、オーケストラのような響きを出せるピアノの魅力を楽しむ曲。ムソルグスキーの「展覧会の絵」です。10枚の絵をモチーフにした10曲と、絵と絵との間を歩くために幾度も登場するプロムナード。文さんは“共通しているのは、……奇妙だったり、恐ろしかったり、けたたましかったり、グロテスクだったりするところです”とプログラムノートに書いています。難度の超高い諸々のパッセージをものともせず、ダイナミックに、かつ繊細に、各曲の複雑なエッセンスをとことんまで表現。まさにオーケストラを彷彿とさせる素晴らしい演奏でした。

 アンコールは、ショパンのエチュードOp.25-1「エオリアン・ハープ」とラフマニノフのプレリュードOp.32-12を華麗に演奏。会場は大きな拍手に包まれました。文 京華さん。今後が楽しみなピアニストです。

(H.A.)

 

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