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近藤嘉宏 ピアノリサイタルシリーズ Vol.3 開催レポート
2013年7月26日(金) 19:00 開演 18:30 開場
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 7月26日(金)、表参道「パウゼ」で開催された〈近藤嘉宏 ピアノリサイタル Series vol. 3〉を聴きに行き、とても充実した時間を過ごすことができました。前半はベートーヴェン作品によるプログラム。近藤さんが演奏されたのは、ピアノ・ソナタから第14番〈月光〉op. 27-2と第31番op. 110です。近藤さんが舞台に登場し、ピアノに向き合うやいなや、会場の空気が引き締まり、期待と緊張が一気に高まりました。

 通奏低音のように鳴り響く3連符から厳かに始まった〈月光〉。近藤さんの音楽がすっと心に入り込んできました。冒頭の小さいながらも表現が凝縮された音を聴いて、今日聴きに来て良かったと思われたお客様も多かったのではないでしょうか。一瞬、緊張のほぐれる第2楽章を経て、第3楽章では近藤さんと高揚感や切迫感を共有し、早くも近藤さんの魅力に釘付けです。近藤さんの音楽には、音楽を奏で始めたその一瞬のうちに聴き手の心を捉えるという不思議な力があるように強く感じました。ピアノ・ソナタ第31番は、特に第3楽章で交互に現れる、歌のような流れる旋律とフーガのコントラストのつけ方など、よく推敲された演奏でした。

 後半は前半のベートーヴェンとは全くスタイルの異なったショパン作品によるプログラミングで、《バラード》第1番op. 23、《ワルツ》第3番op. 34-2、《ワルツ》第14番(遺作)、ピアノ・ソナタ第3番op. 58の4曲を聴かせて下さいました。近藤さんの手、そして心から色鮮やかに再現されるショパンの音楽。眩しいほどのきらめき、屈託のない晴れやかさ、そよ風が吹き抜けるような爽やかさ、その一方で、なかなか出口の見えない不安感、心が張り裂けそうな深い悲しみなど、近藤さんの奏でる音には実に多様な表情が宿っており、聴き手の耳を飽きさせません。1曲終わるごとに、お客様からの拍手はだんだん大きくなっていきました。

 そして、アンコールはショパンから、《ノクターン(遺作)》cis mollや《英雄ポロネーズ》op. 53など、なんと3曲も!!お客様は質の高い演奏に大満足のご様子で、終演後の会場は興奮に包まれました。本当に最初から最後まで充実した演奏会でした。

(A・H)

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