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多賀谷祐輔 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.25 》
2013年7月4日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 《東京藝術大学・表参道・フレッシュコンサート》の第25回は、多賀谷祐輔さんの登場です。多賀谷さんは、東京藝術大学音楽学部附属高校、同大学、同大大学院と、オランダのアムステルダム音楽院で研鑽を積み、ソロはもとより、アンサンブル等で幅広く活動している期待のピアニストです。

 颯爽とステージに現れ、間髪をいれずに弾き始めたのが、フォーレの「小品集・作品84」より、『カプリッチオ』『幻想曲(アルバムの一葉)』『即興』の3曲。フォーレの様々な思いや閃きが、泉のように溢れ出ます。同じくフォーレの「夜想曲第7番」では、一転して重苦しい苦渋に満ちた音楽へ。ほのかに明るく幻想的な中間部は、夢のように消えていきました。

 ショパンの「スケルツォ第4番」では、めまぐるしく変化する音楽を軽やかに表現。ロマンティックなメロディーをゆったりと歌い上げました。

 続いて現代の作品、菊地由記子さんの「Aria―ピアノのために―」。委嘱作品の初演です。空間に生み出されていく一音、一音。それらの音を、ペダルを踏み込んで引き延ばし、響きの中にじっと身を置いて、響きの行方に聴き入る。くぐもった余韻となるまで……。神秘的な雰囲気に包まれました。

 前半の最後に、再びフォーレの「小品集・作品84」より『歓喜』を、明るくさわやかに演奏。後半への期待感が膨らみました。

 休憩を挟んで、シューベルト晩年の傑作、「ソナタ第20番」です。力強さと瑞々しさとが同居する第1楽章。暗いバルカローレと慟哭のようなパッセージが劇的な第2楽章。素直な明るさが魅力の第3楽章。美しい歌が心に染みる第4楽章。多賀谷さんのシューベルトは本当に自然で、生き生きとしていて、いつまでも聴いていたい気持ちになりました。

 アンコールでは、ブラームスの「間奏曲・作品118_2」をメランコリックに、シューベルトの「3つの小品D.946」より第1番を躍動感いっぱいに演奏。これからの活躍が益々楽しみなピアニストです。

(H.A)

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