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第8回浜松国際ピアノコンクール優勝者
イリヤ・ラシュコフスキー ピアノリサイタル 開催レポート
2013年6月29日(土) 開場17:30 開演 18:00
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 2012年第8回浜松国際ピアノコンクールで優勝した注目のピアニスト、イリヤ・ラシュコフスキーさんのリサイタルが開催されました。ラシュコフスキーさんはシベリアのイルクーツク生まれ。2001年のロン=ティボー国際音楽コンクールで第2位を受賞後、日本でもその卓越した豊かな表現力で聴衆を魅了し続けています。

 最初の曲目は、ショパンの「3つの新しいエチュード・遺作」。ショパンのエチュードといえば作品10と作品25ですが、この遺作のエチュードはとても自然で美しく、ショパンらしい詩的なエッセンスがたくさん詰まっています。1曲目では、右手の三連音符と左手の四連音符とがデリケートに融合。2曲目は可憐なワルツで、スタッカートの美しさにうっとり。3曲目は優雅な趣で、一音一音を丁寧に紡ぎ上げる演奏が心に染み入りました。

 2曲目はシューベルト晩年の傑作、ソナタ第19番。シューベルトが死のわずか数週間前に立て続けに作曲した、最後の3つのソナタの1曲目です。決然とした第1楽章。決して大仰にはならない制御された演奏が、シューベルトの晩年の心の内を物語るかのようでした。第2楽章は夜空でひっそりと輝く星々のように、控え目なやさしさ。第3楽章は軽快な中にも儚い美しさ。第4楽章はめまぐるしい転調が、起伏に富んだクライマックスへと発展。どんな激しい音楽であっても音が美しいのに驚きました。

 休憩を挟んで、後半はラフマニノフの練習曲「音の絵」作品39。ピアノのあらゆる華麗な技巧を盛り込んだ大作です。ラフマニノフならではのロマンティックな旋律が朗々と歌われ、複雑なパッセージが連なり重なり合い、分厚い和音が豊かに響き渡り……圧倒されました。

 そしてアンコール。バルトークの「村の夕暮れ」はあたたかく素朴に、ショパンの「革命」のエチュードはあふれる激情で、スクリャービンの「前奏曲第21番」は親愛を込めての演奏。大きな拍手に包まれ、素晴らしい夜となりました。

H.A

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