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鶴澤 奏 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.22 》
2013年
6月12日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 今晩は東京音楽大学の演奏家コースで研鑽を積んでいらっしゃいます、新進気鋭のピアニスト鶴澤奏さんのピアノ・リサイタルが開催されました。客席にも若い方の姿が目立ち、鶴澤さんの本日の演奏が、共に学んできた若手音楽家達と磨きをかけてきたものであることを感じました。

 非常に優しい、しかしながら芯の強い音色が持ち味の鶴澤さん。今回のリサイタルではその音色を、シューベルトやショパンの繊細な作品の数々に託されました。前半のプログラムでとりわけ素晴らしかったのは、冒頭に演奏されましたシューベルトの即興曲変イ長調Op. 142-2でしたでしょうか。柔和でありながら決して緊張感を失わない音楽創りで、会場の空気をしっかりとつかんでいらっしゃいました。前半の最後に演奏されましたショパンの《舟歌》嬰ヘ長調につきましても、お客様を夢幻の世界へと引き込んでゆくような中間部が印象的でした。ショパンの《マズルカ》では、哀しさをぐっとこらえたような表現で、他のプログラムとはまた違う表情を見せてくださいました。

 後半はショパンのソナタ第3番の全楽章演奏。ショパンの作品はこのソナタのような激しい大曲でさえも、迫力任せにオクターブやアルペジオを並べ立てるのではなく、滑らかな旋律線を意識して書かれていることが特徴的です。鶴澤さんはこのようなショパンの作風をよく理解され、この作品を大変美しくまとめていらっしゃいました。またソナタではしばしば第1楽章と終楽章が華やかで、間の楽章が埋もれてしまいがちになりますが、鶴澤さんは持前の美しい音で、第2楽章や第3楽章も印象深く演奏していらっしゃいました。この大変よく構成された演奏に、会場からは大きな拍手が湧き上がりました。

 トークでもシューベルトやショパンが大好きだと言っていらっしゃった鶴澤さん。アンコールではショパンのワルツの中から変ニ長調のワルツを選んで演奏していらっしゃいましたが、これもまた音の粒の1つ1つが輝いた、美しい演奏でした。本日は今後のご活躍が楽しみな鶴澤さんの演奏を聴くことが出来て、大変楽しい夜でした。

 

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