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Music Shot Bar in Omotesando by Naoki Sekino 開催レポート
―ピアノとヴァイオリンのハンガリー・プログラムー
2013年6月4日(火) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
夕暮れの表参道。コンサートサロン「パウゼ」に足を一歩踏み入れると、ドリンクカウンターにずらりと並んだグラスが目に入ります。今夜の催し物は、国内外で活躍中のピアニスト、関野直樹さんによる「Music Shot Bar in Omotesando by Naoki Sekino」。「グラス片手に本格的な音楽を」楽しめるこのユニークな企画は、昨年12月に引き続き、本日が2回目の「開店」となります。ゲストは、関野さんのハンガリー留学時代の恩師でいらっしゃる、リスト音楽院ピアノ科主任教授のカールマン・ドラフィさん。ハンガリーの薫り溢れるプログラムを通して繰り広げられる師弟のエキサイティングな競演に、めいっぱい舌鼓を打ちました。「音楽メニュー」の最初は、関野さんのソロによる、ヘンデルのサラバンドとシャコンヌ(リスト編曲)です。崇高さと華やかさの双方を感じさせる演奏効果満点のパラフレーズに、カワイのピアノがいつにもまして凛と鳴り響いていました。続いてはリストの《ハンガリー狂詩曲第2番》。往年の大ヴィルトゥオーゾ、ウラディーミル・ホロヴィッツによる編曲版を関野さんがさらにアレンジされたとのことで、そのこだわりのほどがうかがわれます。前半の最後にはドラフィさんが登場され、お二人の2台ピアノによって、同じくリストの《ハンガリー民謡の主題による幻想曲》が演奏されました。オーケストラのような重厚で迫力ある響きと、次から次へと繰り出される絢爛豪華な超絶技巧にただただ圧倒されるばかりでした。
20分の休憩タイムには、もう一つの楽しみが待っています。この日の「ドリンク・メニュー」には、関野さんが先日ご自身でハンガリーから持ち帰られ、「手が筋肉痛になった」(!)というハンガリーのスパークリングワインと赤ワイン、最近お気に入りだというチリのロゼワインが並びました。和やかな空気の中、皆様グラスを傾けたりスナックをつまんだりしながら、思い思いにご歓談なさっていました。
後半はドラフィさんのソロから。ショパンの《ポロネーズ嬰ハ短調作品26−1》と《ノクターン変ニ長調作品27−2》ではリストの時とは異なる、力みのないピュアな音色が印象に残りました。あたかも身体から湧き出るように演奏されたバルトークの《ルーマニア民族舞曲集》は、まさにお手の物といった趣で感嘆。最後は再びリストに戻り、お二人の火花の散るような連弾で、有名な《ラーコーツィイ行進曲》が演奏されました。
終演後は客席のあちこちから「よかった!」の声が。関野さん、ドラフィ先生、美味しい演奏とワインを本当に「ご馳走様でした」!
(N.J.)
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