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兄弟ピアニスト 川口晃祐×川口智輝
〜 一夜限りのファンタジー 〜 開催レポート
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.18》
2013年5月15日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
『東京藝術大学同声会コンサート・シリーズ』の第18回目は、兄弟ピアニストの川口晃祐さんと川口智輝さんによるピアノ・リサイタル「一夜限りのファンタジー」です。今日も多くのファンがカワイ表参道コンサート・サロン「パウゼ」に駆けつけました。色違いの衣装を身にまとった爽やかなお二人が舞台に現れ、手始めに演奏してくださった曲は《川口兄弟オリジナル!》。これは晃祐さんが中心になって作曲なさったそうです(あとから智輝さんが「難しいところは自分のパートに回されている…」とぼやき、客席の笑いを誘いました)。続けて、バッハ《主よ、人の望みの喜びよ》(2台ピアノ版)とモーツァルト《連弾ソナタ ニ長調》KV 381の第1楽章が演奏されました。お二人のお人柄がよく表れた素直で清爽な演奏を、お客様もすがすがしい気分で聴いておられたことでしょう。
お二人での演奏はひと休みして、しばらくソロが続きます。まず、晃祐さんがショパン《ワルツ 遺作 ホ長調》とシューマン《ピアノ・ソナタ 第1番》Op. 11の第3楽章を演奏してくださいました。次に智輝さんが演奏してくださったのはショパン《英雄ポロネーズ》。いずれも明快な解釈でとても聴きやすく好感のもてる演奏でした。
前半のプログラムも終盤に入ります。再び連弾で伊藤康英さんの《ザ・ジュピター》《琉球幻想曲》が演奏されました。晃祐さんのお話によると、《ザ・ジュピター》では演奏中に面白いことが起こるのだとか……何が始まるのかと興味津々と見守っていると、なんとお二人が「大縄跳び」のようにパートを交代しながら連弾しています!(本日会場にいらしていた作曲者の伊藤さんによると、これは通称「ぐるぐるピアノ」と呼ぶそうです)。このような愉快なパフォーマンスに客席も大盛り上がりです。続けて、奥村一《屋台囃子》が演奏されて前半のプログラムが締め括られました。
休憩後、衣装替えをしたお二人が演奏してくださったのは、本日のメイン・ディッシュとなる作品、プロコフィエフ《ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調》Op. 26です。約30分にも及ぶ長大な作品ですが、お二人とも集中力を切らさずに音の隅々にまで神経を配らせながら音楽を仕上げていらっしゃる印象を受けました。アンコールには、会場にお越しいただいていたピアニスターHIROSHIさんの編曲による《ロンドンデリーの歌》《ザッツ・クラシック!ドラマティック・メドレー》と、ピアソラ《リベルタンゴ》を演奏してくださり、非常に贅沢なコンサートとなりました。
(A. N.)
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