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まつきとわたるとはなこのトリオ in 表参道 Vol.3 開催レポート
2013年5月14日(火) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
「まつき」ことピアノの松本和将さん、「わたる」ことチェロの向井航さん、「はなこ」ことヴァイオリンの上里はなこさんの3人によるトリオの3回目のコンサート。ベートーヴェンの「ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調」でスタートしました。作品1の1という、まだハイドンやモーツァルトの影響が残っているこの作品を、聴きごたえのあるアンサンブルで聴かせてくれました。
2曲目はチェロのわたるさんのソロで、マーク・サマーの「ジュリー・オー」という曲です。ジャズ界で活躍するタートル・アイランド弦楽四重奏団のチェリスト、マーク・サマーが作曲した曲です。ピッツィカートで始まり、弓で弾き、またピッツィカートになり、そしてまた弓で弾くという、演奏するのが大変難しそうな、 ジャズと言ってもいい、非常にカッコいい曲でした。それをわたるさんは見事に弾きこなし、大きな拍手を送られました。
次もわたるさんのソロで、ブロッホの「祈り」。これは打って変わって静かな、どこか寂し気な祈りの曲で、前の曲とは違ったチェロの味が楽しめました。
休憩前に、3人それぞれのCD紹介コーナーがあったのですが、なんとわたるさんがこうした会で紹介するCDが売り切れてしまったそうで、はなこさんとまつきさんが、それぞれご自分がリリースされたCDを紹介されました。
休憩後は、ブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調」です。この3人がトリオを組んで最初に演奏した作品だそうで、1曲目のベートーヴェン以上に力の入った演奏でした。
第2楽章に出てくるヴァイオリンとチェロとの二重奏が大変美しく、そこにピアノが静かに加わってくるところは、これぞピアノ・トリオ、と言える素晴らしさではないでしょうか。
フィナーレも雄大な終わり方で、ピアノ・トリオの醍醐味をしっかり味わえた演奏でした。聴衆から惜しみない拍手が送られたことは言うまでもありません。
また聴いてみたい、と思わせてくれる、素敵なアンサンブルでした。
H.A
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