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手嶋 麻貴&水野 利枝子 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
くにたちサロンコンサートin表参道シリーズVol.15
2013年5月9日(木) 19:00開演 18:30開場
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
手嶋麻貴さんと水野利枝子さんは共に、国立音楽大学と桐朋学園大学院大学で学ばれ、数々のコンクールでの受賞も果たされた新進のピアニストです。まずは手嶋さんのソロから。最初の曲は、ラフマニノフの「6つの楽興の時・作品16」より、第1番・変ロ短調です。静かに弾き始め、主題をしっとりと歌い上げ、曲全体に溢れるラフマニノフならではの歌の魅力を引き出していました。
2曲目は厳かに、ショパンの「ソナタ第2番・変ロ短調・作品35『葬送』」。第1楽章の躍動感、第2楽章の間合いの巧みさ、第3楽章の「葬送行進曲」の荘厳な雰囲気、そしてめくるめく第4楽章と、至高の大曲が見事にまとめられていました。
最後の曲は、リストの「巡礼の年報 第1年 スイス」より第6番『オーベルマンの谷』。難曲にもかかわらず、落ち着いた演奏で内面の苦悩を描き出し、クライマックスは迫力のある演奏で、リストの創り上げた希望に満ちた世界を表現していました。
休憩を挟んで、後半は水野さんのソロ。明るくさわやかな、D.スカルラッティの「ソナタ K.380 ホ長調」と「ソナタ K.39 イ長調」から始まりました。
次はシューベルトの「即興曲集・作品90」より、『第1番・ハ短調』と『第3番・変ト長調』の2曲。溢れる歌心と、自在な場面転換は、即興曲ならではの魅力がありました。
ソロの最後は、プロコフィエフの大作「ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83」。「戦争ソナタ」と称される、20世紀を代表するピアノ・ソナタの一つですが、力強くドラマティックなその演奏は、プロコフィエフの魅力を聴衆に味わわせてくれました。
ソロを堪能した後は、いよいよフィナーレの連弾。手嶋さんがプリモ、水野さんがセコンドで、ドビュッシーの魅力がたくさん詰まった「ピアノ連弾のための小組曲」です。コンサートの最後ということでどこかリラックス感も漂い、息の合った演奏からは、連弾の楽しさがとてもよく伝わってきました。
これからも楽しみな、お二人のコンサートでした。
(H.A)
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