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上野優子 ピアノリサイタル 開催レポート
《ココロノヒビキ Vol.4 》
2013年4月26日(金) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 毎回絶大な人気を博している、ピアニスト上野優子さんによる『ココロノヒビキ』シリーズ。第4回目を迎えるこの日も、チケットは完売となり、会場は非常に多くのお客様で賑わいました。今回は、前半にベートーヴェンとショパン、後半にシリーズ第1回目からとりあげられているボルトキエヴィチ、没後30周年を迎えるヒナステラの作品を演奏してくださいました。

 鮮やかなボルドー色のドレスで登場された上野さんが冒頭に演奏されたのは、ベートーヴェン≪創作主題による32の変奏曲ハ短調≫WoO.80。各変奏の性格をしっかりと表現され、ベートーヴェンの作品がもつあらゆる特徴が1曲に集約されているような印象を受けました。また、弦楽器や管楽器の音色やニュアンスなどが感じられ、まるで交響曲を聴いているようでした。

 続いてショパンの作品です。今回は≪4つの即興曲≫と≪舟歌≫Op.60を披露されました。和声や即興的なパッセージ、旋律の対位法的なラインが美しかったばかりでなく、感情が複雑に変化するさまを音にしたかのように音楽が自然な流れで展開されていきました。

 休憩を挟み後半のプログラムへ移ります。まず、ボルトキエヴィチの作品を3曲演奏してくださいました。情熱的で伸びやかな息づかいで表現されていた≪カプリッチョ≫Op.3-1、春風のようにさわやかな演奏をされた≪エテュード≫Op.3-2、お洒落で可愛らしさを感じられた≪ガヴォット−カプリス≫Op.3-3。それぞれの個性を鮮明に描き出され、楽しんで聴くことができました。

 最後は、ヒナステラの≪アルゼンチン舞曲集≫Op.2と≪ピアノソナタ第1番≫Op.22です。≪アルゼンチン舞曲集≫では、踊りのステップが感じられるような演奏を展開されました。中でも<粋な娘の踊り>での官能的でメランコリックな演奏は印象的でした。≪ピアノソナタ第1番≫では、ラテンの響きやリズムに心が躍るようでした。上野さんの鮮やかな演奏に客席の皆様は息をのんで聴き入っておられました。

 以上4人の作曲家の特徴を巧みに弾き分けられた上野さんに、客席から盛大な拍手が贈られました。上野さんはごあいさつをされたあと、アンコールとしてボルトキエヴィチ≪エレジー≫Op.46を演奏してくださり、さらに皆様を沸かせました。

 『ココロノヒビキ』シリーズ、次回はいよいよ最終回。2014年4月上旬に開催予定です。どのようなプログラムで迎えてくださるのか、非常に楽しみです。

(K.S)

 

 

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