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ピアニスト 松本和将
“ 芸術的な演奏のため に ” ペダル・テクニック講座 開催レポート
―Part I ショパン編 (全5回シリーズ 第1回)―

〜エチュード全24曲 徹底解説!! ノクターン・ワルツ・マズルカ・ポロネーズ 〜
2013年4月11日(木) 10:30〜12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 ピアニスト松本和将先生による公開講座、待望の新シリーズ『“芸術的な演奏のために ”ペダル・テクニック講座』が始まりました。シリーズPart 1(全5回)のテーマはショパン。今回は、エチュード作品10より第1番から第8番について、テクニック、ペダル、練習のポイントなどを丁寧に解説して下さいました。

 エチュードの美しい響きを直に聴いていただきたいという先生の意図により、最初にとりあげられたのは第3番<別れの曲>と第6番。<別れの曲>では、オペラ歌手が歌うような演奏をするために、フレーズの感じ方や、楽譜上の細かな指示の解釈の仕方、音をふくらませるペダル奏法などをご指導下さいました。特にペダルについては、常に響きを聴き、確かめながら「耳で踏む」ことが大切と仰っておりました。一方、第6番では、響きをふくらませるのではなく、落とすような感じでペダルを用いるとのこと。内声の旋律は、オーケストラでのヴィオラのように、ペダル無しでも美しく滑らかに弾けるようになることが求められます。

 続いて、発想の転換が大切となる第8番と、手首の瞬時な動きがポイントとなる第4番です。ここでは、弾きながら次の小節の音の流れを即座にとらえ、その流れにふさわしい演奏をするために、素早く身体に信号を送り準備をすることや、手首の柔軟な動かし方、オクターブの跳躍を滑らかに繋げるためのペダリングなどをご指導下さいました。

 次は、非常に高度な第1番と第2番を例に、身体の筋肉の動きやご自身の経験談も交えながら、効果的な練習方法をアドバイスして下さいました。ただ闇雲に練習するのではなく、次の3つの事柄を明確にすることが重要になります。

(1)どのように弾きたいか
(2)今、自分がどのように弾いているかを知ること
(3)どのようにしたら(1)にたどり着けるか

 また、ゆっくりのテンポで練習するときは、速く弾く時のイメージをしながら行うこと。その際に自分の弾ける限界のテンポで練習すること。早いテンポで通したときに弾けなかった個所をとりだし、リズム練習などの細かい練習を部分的に行うことなど、あらゆる方法を教示して下さいました。

 最後は、第7番と第5番<黒鍵>です。第7番は、右手が上声のメロディを滑らかに弾くことと、下声の2と1の指による連打を同時に行っていることを認識しながら、美しく弾くことがポイントです。<黒鍵>では、例えば1拍目のバスの音はコントラバスというように、オーケストラの音色をイメージすること。ペダルは、バスの上に和音が乗っていることをイメージして、バスの音の重さを考えて踏むことを教えて下さいました。

 このスペースに全てご紹介できないことが残念ですが、エチュードに取り組む際、誰もが抱える悩みを解決してくださったような大変充実した講座でした。次回は、5月22日(水)。同じくエチュード作品10より第9番から第12番、作品25より第1番から第4番をとりあげて下さいます。是非、足をお運び下さい。

(K.S)

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