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野牧愛 ピアノリサイタル 開催レポート
〜モンマルトルの丘から〜
2013年3月15日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 3月15日、表参道のコンサートサロン「パウゼ」では野牧愛さんのリサイタルが開催されました。野牧さんは東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校から同大学を経て、昨年パリ国立地方音楽院ピアノ科最高課程を審査員満場一致の一等賞で卒業されたばかりの若手ピアニストです。「モンマルトルの丘から」というタイトル通り、フランスの香り溢れるプログラムを楽しみに、開演を待ちました。

 午後7時を回った頃、客電が落ち、会場は真っ暗に。静まり返った暗闇の中から衣擦れの音がしたかと思うと、ゆったりとしたサティの《ジムノペディ第1番》が聞こえてきました。次第に明るくなってゆく舞台に浮かび上がる、ドレスの光沢と繊細なモーヴの色あいが、音楽の神秘的な雰囲気を引き立てます。印象的な幕開けに続いて演奏されたのは、ショパンの後期の傑作《スケルツォ第4番》と、ドビュッシーの《映像第2集》です。筆者にとって特に心に残ったのは 《映像》の第2曲、〈かくて月は廃寺に落つ〉。鐘の音を思わせる冒頭の和音や鈍いきらめきを放つ旋律が、作曲家の心をとらえてやまなかった異国の情緒をにじませていました。

 休憩後、目にも鮮やかな花模様の衣装に着替えて登場した野牧さん。明るい音色で奏でられたスカルラッティの二つのソナタに引き続き、再びドビュッシーの作品が取り上げられます。ピアニスティックで自由闊達な表現が見事な《喜びの島》のほか、それぞれに個性豊かな《前奏曲》が4曲、曲集からの抜粋で演奏されました。プログラムの最後におかれたのはラヴェルの難曲《ラ・ヴァルス》。縦横無尽に駆け巡るグリッサンドと力強いワルツのリズムをもって、今夜のコンサートを華麗に締めくくりました。

 アンコールにはドビュッシーの《アラベスク第1番》と、ショパンの有名な《ノクターン 遺作 嬰ハ短調》の2曲を。フレッシュで可憐な魅力が持ち味の野牧さん、これからのご活躍がますます楽しみですね。

(N.J.)

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