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キアラ・ピアノ・カルテット 開催レポート
〜 Chiara Piano Quartet がお届けする、美しい室内楽の夕べ 〜
2013年3月5日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
3月に入り、少しずつ春の気配が感じられる今日この頃。パウゼでは、石川悠子さん(ピアノ)、小池彩織さん(ヴァイオリン)、高橋梓さん(ヴィオラ)、石川理史さん(チェロ)で結成されたキアラ・ピアノ・カルテット(旧Marunouchiなピアノ・カルテット)の演奏会が開催されました。本カルテットの名称「キアラ(chiara)」とは、クララ・シューマンの「クララ」のイタリア名。イタリア語で「明るく」や「輝く」などといった意味を持つとのこと。この名に相応しく、4人の方々の演奏は、大変生き生きとしており、輝きに満ちておりました。演奏会の幕開けとなったのは、マスカーニの歌劇≪カヴァレリア・ルスティカーナ≫より<間奏曲>です。水面に波紋が広がったような透き通った音色によるピアノに支えられ、弦楽器が滑らかな息づかいで、旋律を美しく伸びやかに歌わせていきます。お客様は、繊細で美しい音楽にうっとりと聴き入っておられました。
続いてメンバーの皆様がご挨拶を兼ねて、各楽器の紹介とカルテットにおける役割や音楽作りについて、実演を交えながらわかりやすく解説してくださいました。それぞれの楽器の特徴や聴きどころがわかり、非常に興味深かったです。
この後に演奏されたのは、モーツァルト≪ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調≫K.493です。4つの楽器が楽しげに対話をしているようです。旋律や和声の微細な表情もしっかりと汲まれた演奏をされ、この作品の魅力を余すところなく表現されていました。
休憩を挟み後半は、シューマン≪ピアノ四重奏曲 変ホ長調≫Op.47です。前半のモーツァルトからは、ガラッと雰囲気が変わり、重厚で力強いアンサンブルを聴かせてくださいました。それぞれの楽章の性格を見事に描き出され、音楽のドラマティックな展開に息をァ]むようでした。とりわけ、第3楽章での楽器の個性や音色の美しさが活かされ、限りなく優しさに満ちた伸びやかな演奏は、大変印象的でした。
客席から「ブラボー!」の歓声とともに盛大な拍手が贈られ、アンコールはシューマンの≪子供の情景≫より<トロイメライ>で、温かく語りかけるような演奏を披露してくださいました。
演奏者と聴衆が音楽の素晴らしさを共に分かち合え、幸せな気持ちになった演奏会でした。素敵なひとときをありがとうございました。
(K.S)
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