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安田里沙 ピアノリサイタル 開催レポート
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.17》
2013年
3月1日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 本日は、国内外でご活躍のピアニスト安田里沙さんのリサイタルが開催されました。情感に溢れたエネルギッシュな音楽が魅力の安田さん、今回はプログラムに様々な国を出身とした作曲家の哀愁のある曲を選ばれたとのことで、とてもご本人の音色に合ったプログラムを構成されていました。

 最初は、3拍子の踊るようなリズムにのって、色々な場面が現れるシューマンの《蝶々》。安田さんのとても華やかな演奏に、お客様も次にはどんなメロディーが出てくるのだろうと息を呑んでいらっしゃいました。

 次はチャイコフスキーの《ドゥムカ―農村的風景》です。これもまたチャイコフスキーの代表作であるとても華やかな場面をもった曲ですが、先ほど演奏されたシューマンの舞踏会を想わせるような華やかさとは一味違います。安田さんは内に燃え上がるような情熱的で重々しい場面と、リズミカルで村人達が踊っているかのような賑やかな場面を巧みに弾き分けながら演奏されていました。

 そして前半の山場となったのは、スペインの作曲家グラナドスの《ゴィエスカス》からの〈嘆きまたはマハと夜うぐいす〉と有名な《スペイン舞曲集》より〈アンダルーサ〉でしょうか。《ゴィエスカス》は「ゴヤの絵画の場面集」という意味ですが、まさにタイトルの通り、安田さんの音からは美しくも寂しい月光とうぐいすの鳴き声に包まれた夜の世界が広がりました。〈アンダルーサ〉では反対に、燃える太陽を想わせるような情熱にあふれた世界が展開され、演奏後には大きな拍手が送られました。

 後半のプログラムは、安田さんの留学先でもあるハンガリーの作曲家バルトークが書いた〈15のハンガリー農民歌〉で始まりました。自ら積極的に民俗音楽の採集に取り組んだというバルトークによる、独特な音響と活気に溢れたリズムに、客席は大変盛り上がりました。安田さんの活き活きとした表情からも、この曲集を大変に研究されたことが伺えました。

 最後は19世紀最大の作曲家の1人であるリストが、《巡礼の年》第2年に補った《ヴェネツィアとナポリ》です。やはりここでも第1曲が〈ゴンドラをこぐ女〉と聴き手のイメージが膨らむようなタイトルの曲が登場します。第2曲目はロッシーニのオペラの一部を基にした〈カンツォーネ〉。安田さんはダイナミックかつ神秘的でもあるこの2曲を妖艶に歌い上げた後に、最終曲〈タランテラ〉で華やかにプログラムを締めくくりました。特に〈タランテラ〉の熱演には客席から大きな拍手があがりました。

 アンコールにはシューマンが作曲した歌曲をリストが編曲した《献呈》が演奏されました。一夜にしてヨーロッパ中の音楽が楽しめたような、素敵なコンサートでした。

(A. T.)

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