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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス 開催レポート
Joy of Music 40+ 
第1回 2013年1月11日(金)10:00開場 10:30〜12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 世界的なピアニストでいらっしゃる田崎悦子先生の〈大人のためのピアノ・マスタークラス Joy of Music 40+〉を聴講してきました。この講座は、ピアノが好きで、もっと上手に演奏できるようになりたい、自分をピアノで表現したいという欲望を持つ大人を対象に開講され始めました。

 さっそく、レッスンです。今日は、多くの応募の中から選ばれた八杉修子さんと天野鑑代さんが、田崎先生のレッスンを受けられました。

  

 八杉さんが演奏されたのは、ブラームス《3つの間奏曲》より変ホ長調op. 117-1とスクリャービン《2つの左手のための小品》より夜想曲op. 9-2の2曲です。1つ1つの音を丁寧に紡ぎ出し、とても音楽的な演奏を聴かせて下さった八杉さんに、先生は「作曲家のメッセージを伝えるために、楽譜をもっと正確に読み解く」よう、アドバイスされました。具体的には、音の形shape(主旋律の進行の仕方)から、楽譜には書かれていないcresc.やdim.、緊張感の高まりを読み取り、それらを非常に大げさにやってみること、フレーズを一まとまりに仕上げるためには急にdim.しないこと(急激なdim.はフレーズを続かなくさせる)、ハーモニー以外の和音を見過ごさず、その音を弾く前に必ず意識し、音に反映させること、スラーを大切にすることです。また、左手が主旋律と和声(伴奏)の両方を担うスクリャービンでは、あたかも違う楽器で弾いているかのように、旋律と和声をはっきり弾き分けること、曲想が変化する箇所では、音を出す前に自身の気持ちを準備し、コントラストをつけることを先生はご指摘されていました。

  

 続いて、天野さんがショパン《舟歌》op. 60を演奏されました。このような大曲を人前で演奏するという非日常の空間にいくぶん緊張されていたようですが、遠くまで響き渡る澄んだ音色が印象的でした。八杉さんと同様、天野さんにも先生から音の形shapeとフレーズに関してのアドバイスがありました。特に、冒頭2小節の音の形は上下運動が激しく、ギザギザした形が特徴ですが、ここではこれらの音を一まとまりのフレーズにまとめ上げることが要求されています。先生の息遣いを間近に感じながら、何度も右手だけの練習を重ねていくうちに、天野さんの奏でる音からは少しずつ自然な流れが見え始めました。時間だけ使い、ただやみくもに練習するのではなく、片手がある程度仕上がってきた後、両手での練習に進むという効率の良い練習方法も、先生は伝授して下さいました。

 田崎先生のご指摘は非常に的確で、本日の受講生のお2人はもちろん、聴講にいらしたお客様にとってもご自身の演奏をより良くするためのヒントが盛り沢山の、有意義な2時間でした。次回のレッスンは1月22日(火)。田崎先生のマジック・レッスンを経て、お2人の演奏はどのように変化するのでしょうか。次回が今から楽しみです。

(A・H)

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