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関野直樹のミュージック・ショットバー
:第1回−ケマル・ゲキチ招いて− 開催レポート
MUSIC SHOT BAR in OMOTESANDO by NAOKI SEKINO
No.1―Guest:Kemal Gekic―
2012年12月18日(火) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
今夜はパウゼにてピアニスト関野直樹さんによる「ミュージック・ショットバーin表参道―ケマル・ゲキチを招いて―」が開催されるということで足を運んで来ました。最高級の音楽を最高の演奏、最高のロケーションでグラスを片手にほろ酔い気分で愉しむ・・・そんな贅沢なコンサートの開催は関野さんの積年の夢でもあったとのことで多くのお客様が「開店」にかけつけられました。第一夜の今晩はクロアチアの至宝ケマル・ゲキチさんとの競演。関野さんとのコラボが至高の饗宴を演出しないはずがありません。さて、会場に入ってみると早速関野さんがこの日のために持ち込みをされたハンガリーのシャンパンとワインの香りが・・・・お客様も互いに愉しく会話を交わされながらすっかりほろ酔い気分。パウゼも見事にショットバーの世界を演出し、今晩が通常のコンサート以上に特別な一夜であるとの思いに打たれました。シャンパンの泡をグラス越しに眺めながら今宵の演奏に思いを馳せていると、そこへ関野さんが颯爽と登場。リストの愛の夢とガーシュインのラプソディー・イン・ブルーによってLove and Jazzの世界が会場を包み込みます。関野さんの繊細かつ情熱的なピアノに魅せられて会場のムードはすっかりハイテンションです。
続いてゲキチさんによるロシアン・パッションのパフォーマンス。ラフマニノフのエレジーからプレリュード作品23の6,7番、そしてバラキレフのイスメライ(東洋風幻想曲)に至る一連のパフォーマンスにおいてはゲキチさん持ち前の超絶技巧がまるで手品のように流麗かつ華麗に披露され、会場はその最初の一音から完全に虜にされてしまいました。演奏が終わるとブラボーの声と共に会場は総立ち。格調高い最高のパフォーマンスに会場からは惜しみない拍手が送られました。
後半はゲキチさんと関野さんによる二台ピアノを堪能しました。ピアノの一音一音がシャンパンの泡を連想させ、それがまるでがシャボン玉のように豊かに溢れてくるラフマニノフの組曲第一番「幻想的絵画」作品5。プログラムのフィナーレを艶やかに飾ったリスト作曲モーツァルトの歌劇<ドン・ジョバンニ>の回想では、有名オペラの三つの名曲<騎士長の歌・石像の呪い><お手をどうぞ><シャンパンの歌>がリスト特有のヴィルトゥオーゾによって回想されました。お二人の演奏はどちらが「ドン・ジョバンニ」とは言えない親しく心を通い合わせつつも遊び心に満ちた刺激的なもので、作品に対する深い愛情と尊敬が伝わってきました。
演奏後はお二人もお客様の輪の中に入られ、グラスを片手に親しく会話を交わされました。国際色豊かな表参道での至高のひと時に酔いしれた一夜でした。
(G.T.)
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