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高橋亜侑美&西尾周祐 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
くにたちサロンコンサート in 表参道シリーズ Vol.14
2012年12月13日(木) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 クリスマスの季節となり、表参道では毎年恒例のイルミネーションがキラキラと輝いています。この日、パウゼでは、国立音楽大学大学院を修了されたお二人の若手ピアニスト、高橋亜侑美さんと西尾周佑さんのピアノジョイントリサイタルが開催され、非常に多くのお客様で賑わっておりました。

 今回のプログラムは、技術的にも音楽的にも大変難しい大曲がずらりと並べられていました。

 最初に登場されたのは高橋さん。ショパンの≪3つのマズルカ≫Op. 50と≪幻想ポロネーズ≫Op. 61を披露して下さいました。間の取り方や旋律の歌わせ方が絶妙で、非常に滑らかな演奏をされていました。中でも音色と和声の美しさは大変印象的で、楽曲の魅力を余すところなく表現されていました。

続いて、西尾さんによる演奏で、ベートーヴェン≪ピアノソナタ第21番 ハ長調 ≫「ワルトシュタインOp53です。主題やモティーフの転調による緊張感や性格の違いが楽しめた第1楽章、第2楽章では、穏やかで歌うような導入部を経て、ロンドでは音楽が泉のように淀みなく湧き上がってくるような躍動感に溢れていました。

 休憩を挟み後半のプログラムへ移ります。

 高橋さんは、スクリャービンの≪5つの前奏曲≫Op.16と≪ピアノソナタ第2番 嬰ト短調≫「幻想ソナタ」Op.19を演奏されました。前半のショパンでの滑らかな表現や和声の美しさがここでも引き立っていました。≪5つの前奏曲≫では、ゆったりと語りかけるような優しさに満ちており、海が描写された≪幻想ソナタ≫では、海の広大さや波が常に変動する情景を鮮やかに表現されていました。

 西尾さんは、ラフマニノフ≪ピアノソナタ第2番 変ロ短調≫Op36(1931年改訂版)を演奏されました。悲劇的な曲想の中に、鐘の音やロシアの大自然を思わせるような響きなどといった様々な音楽要素が混ざり合っています。これらをあらゆる音色で描き出されていた西尾さんの演奏は、楽章全体を通して、一つの物語を表現しているような奥深さを感じました。

 鳴りやまない拍手に応え、アンコールにラフマニノフ≪6つの小品≫Op.11より<スケルツォ>を連弾で演奏してくださいました。お二人の作品に対する真摯な姿勢を感じられた素晴らしいリサイタルでした。更なるご活躍を期待しております。

(K.S)

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