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杉山亜由美&木谷理恵ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.23 》
2012年12月7日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 師走を迎え、美しいイルミネーションでクリスマス・ムードに包まれた表参道。「パウゼ」では12月7日、《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.23 》として、東京藝術大学大学大学院を優秀な成績で修了された杉山亜由美さん、木谷理恵さんのお二方によるジョイント・コンサートが開催されました。

 最初に演奏された杉山さんは、今年生誕150周年を迎えたドビュッシーの作品でプログラムを構成。まずは《レントより遅く》の表情豊かな演奏で聴き手の心をつかみ、つづいて《前奏曲集第2集》全12曲を披露されました。杉山さんの多彩な音色と才気に富む表現力は、それぞれの曲の個性や魅力を鮮やかに浮かび上がらせます。たとえば《妖精たちはあでやかな踊り子》や《水の精》といった軽妙な作品ではえもいわれぬファンタジーや茶目っ気が迸るよう。スペインの情景を描いた《ヴィーノの門》では、対照的に、野性味のある一種官能的な情緒が感じられました。杉山さんご自身の生き生きとした表情もまた、音楽への心からの愛情を物語っているようでした。

 休憩をはさみ、後半は木谷さんです。1曲目は新ウィーン楽派の作曲家のひとり、アルバン・ベルクの初期作品《ピアノソナタ 作品1》。秘めた仄暗い情念を思わせる独特のハーモニーや絡み合うモチーフの綾を堪能しつつも、ある種の古典的な佇まいをとどめた端正な演奏でした。2曲目のリスト《ピアノソナタ ロ短調 S.178》は、ゲーテの『ファウスト』になぞらえて語られることもあるスケールの大きな作品です。劇的な音楽のなかでふと現れる弱音がとりわけ美しく、なかでも第2部の夢見るような表現は特筆すべきものでした。決して奇をてらわず、丁寧に紡がれていく演奏からは、この大曲に対する木谷さんの真摯な姿勢が伝わってきました。

 アンコールはお二人の連弾によるピアソラの《リベルタンゴ》。お二人の輝かしい未来を象徴するかのような華やかなエンディングに、会場からは惜しみない拍手が送られました。

(N.J.)

 

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