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KSCO
北川曉子&靖子 サロンコンサート vol.10 開催レポート
〜20世紀の音楽を中心に〜
2012年11月1日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
秋も深まった今日この頃、北川曉子さんと靖子さんご姉妹によるサロンコンサートが開催されました。早いもので、お二人によるこのコンサートシリーズも第10回目を迎えます。今回は、20世紀の音楽を中心としたバラエティに富んだプログラムで迎えてくださいました。前半最初は、ベートーヴェン≪ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第10番ト長調≫Op.96です。各楽章とも、確固とした形式感があり、主題や動機が発展して行く様子がしっかりと表現されていたばかりでなく、一音一音が生気に満ち、非常に躍動感のある演奏を展開されました。
続いて、ストラヴィンスキー≪イタリア組曲≫です。ヴァイオリンの奏でる力強く伸びやかな旋律に、ピアノが細部までコントロールされたタッチで繊細な色彩を加えていきます。お二人の華やかさと洗練さを兼ね備えた表現で、この作品が持つ古典的な魅力が一層引き立っていました。
休憩を挟み後半は、曉子さんによるピアノ・ソロで始まりました。演奏されたのはアルベニス≪イベリア第4巻≫より<マラガ>、<へレス>、<エリターニャ>です。鮮やかな旋律やリズムを情熱的に演奏され、スペインの太陽の光が燦々と降り注ぐ暖かな気候や異国情緒が音楽を通して感じられるようでした。
コンサートの最後を飾るのは、原博≪ヴァイオリン・ソナタ≫です。ヴァイオリンのしなやかな音色とピアノの透明感のある音色が混ざり合い、独特な雰囲気が醸し出されていました。2つの楽器の異なったキャラクターが絶妙に融合し、その響きが作り出す立体的な曲想は大変美しく、筆者を含め客席の皆様はうっとりと聴き入っておられました。お二人の素晴らしい演奏に、いつまでも鳴りやまないほどの拍手が贈られました。
終演後、皆様はお飲み物を片手にご歓談を楽しまれておられるようでした。
(K.S)
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