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◆ ドビュッシー・フェスティバル2012 〜ドビュッシー生誕150周年記念〜
コンサート6 「晩年の作品」 開催レポート
10月26日(金)
開場 18:30 開演 19:00 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」 

  

 

 10月20日から1週間に渡って開催された『ドビュッシー・フェスティバル 2012』の最後を飾るのは、コンサート6「晩年の作品」です。まず、青柳いづみこさんによるプレ・トークがありました。舞台上に準備されたスクリーンには、本日演奏されるドビュッシーの《新発見の練習曲》の自筆譜が映し出されています。これは《12の練習曲》の第11番〈組み合わされたアルペッジョのために〉の第1稿にあたるそうです。これについて青柳さんは、最終稿よりもショパンの《練習曲集》Op. 10-1に類似していると仰っていました。他にも、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。

 プレ・トークの後に、まず、長尾洋史さんが《新発見の練習曲》と《12の練習曲》を通して演奏してくださいました。とても明晰かつダイナミックな演奏で、これらが「練習曲」と名付けられていたことですら忘れてしまうほどです。ドビュッシーの作り出した響きを聴いていると、見えていなかったところに光を照らされるような感覚になります。

 休憩を挟んで、コンサートは後半にうつります。まず、これから演奏される作品について青柳さんが解説してくださった後に(特に面白かったのは、本日の演奏者であるジェラール・プーレさんのお父様のお話!)、藤井洋子さん(クラリネット)と堀江真理子さん(ピアノ)が《クラリネットとピアノのための小品》と《クラリネット狂詩曲》を演奏してくださいました。これらの作品は初見用・試験用に作られたもので、クラリネットという楽器の魅力を十二分に引き出そうとしたドビュッシーの意欲が推し量られます。今日の演奏も作品の表情の移ろいが見事に表現されていて素晴らしかったです。

 続いて、菅野博文さん(チェロ)と川島余里さん(ピアノ)による《チェロ・ソナタ》の演奏です。お二人の息がぴったりと合った一体感のある演奏にお客様も息を呑んで耳を傾けていらっしゃいました。川島さんのヴィヴィッドな伴奏も印象的でしたが、菅野さんのチェロが紡ぎ出す豊かな音楽にはただ酔いしれるばかりでした。

 最後は、ジェラール・プーレさん(ヴァイオリン)と川島さんによる《ヴァイオリン・ソナタ》の演奏です。最早、言葉にするのが躊躇われるほど素晴らしい演奏でした。プーレさんの聴衆を引き込んでいくエネルギーは圧巻です。アンコールとして《月の光》の編曲版を演奏してくださいました。

 演奏終了後、日本ピアノ教育連盟会長の村上明美さんから閉会のご挨拶があり、『ドビュッシー・フェスティバル 2012』は締め括られました。

(A. N. )

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