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◆ ドビュッシー・フェスティバル2012 〜ドビュッシー生誕150周年記念〜
オープニング・セレモニー & コンサート 開催レポート
10月20日(土)
開場 15:30 開演 16:00 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」 

 

 

 今年で生誕150周年を迎えるドビュッシー。これを記念して、パウゼでは『ドビュッシー・フェスティバル2012』が10月20日から一週間にわたり開催されます。本イベントは、一流の演奏家、講師の方々をお迎えし、ドビュッシーにまつわる演奏会と講演が行われ、ドビュッシーの魅力に迫るというものです。その幕開けとなる本日は、オープニング・セレモニー&コンサートで、前半が西原稔先生による講演、後半がコンサートという盛沢山の内容で開かれました。チケットは前売りの段階で完売御礼、会場には補助席が設けられるほど、非常に多くのお客様がいらしており、期待の高さが伺われました。

 はじめに、日本ピアノ教育連盟副会長の岡本美智子先生よりフェスティバルへ寄せてご挨拶がありました。続いて、西原先生による講演に移ります。今回は、「ドビュッシーの新しい世界を求めて」〜印象主義者ドビュッシー像からの脱却〜(自筆譜に示された数字の謎)というテーマでお話し下さいました。まず、パリ音楽院時代の習作≪フーガ≫(実演:十川菜穂先生)を例に、古典的な作曲法に精通していたことや、≪前奏曲集第2集≫第7番<月明かりに照らされるテラス>などを例に、五度圏の両極端に位置する調性をどのように動かし組み合わせていくかということに着目し、独自の様々な音階を作り上げていったことなどを説明してくださいました。続いて自筆譜と数字の関係についてです。ドビュッシーは作曲する上で、音量や速度の配置、音域やリズムの構成なども含め「音の配置」について非常に大きな関心を持っており、それを西洋音楽の重要な理論である「数比」を用い綿密に行っていったとのことです。つまり、自筆譜に記された数字はそのことの表れだったのです。西原先生は、≪練習曲集≫や≪前奏曲集第1集≫などの例を挙げながら丁寧に解説してくださいました。バッハやベートーヴェンの伝統とは異なった方法ですが、非常に確固とした秩序が存在していることがわかった素晴らしい講演でした。

 休憩を挟み後半のコンサートへ移ります。最初は、金澤希伊子先生による演奏で≪子供の領分≫です。温かみのある音色で、各曲の特徴が豊かに表現されていました。特に<ゴリウォーグのケークウォーク>では、独特の洒落たリズム感が印象的でした。

 続いて、金澤希伊子先生と多 美智子先生による連弾で≪小組曲≫が演奏されました。和声の響き一つ一つが繊細な色彩を帯びており、まるで音による絵画を観ているようでした。

 最後は、ジェラール・プーレ先生(ヴァイオリン)、菅野博文先生(チェロ)、川島余里先生(ピアノ)による≪ピアノ三重奏曲 ト長調≫です。それぞれの楽器が対話をしているように、ぴったりと息の合った演奏を繰り広げられました。3人の先生方が奏でられる伸びやかで重厚な響きに、時間を忘れ引き込まれていきました。

 一流の先生方による素晴らしい講演と演奏を拝聴できた贅沢なひとときでした。魅力的なプログラムばかりのドビュッシー・フェスティバル。ますます期待が高まります。

(K.S)

 

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