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KSCO 
石田啓明 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.19 》
2012年10月18日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 毎回好評を博している桐朋学園表参道サロンコンサートシリーズ。第9回目は、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)に在籍されている石田啓明さんです。石田さんは、昨年行われた第9回東京音楽コンクールにて、見事第1位ならびに聴衆賞を獲得されました。また、国内有数の交響楽団とも共演されるなど、ピアニストとしての道のりを着々と歩んでおられます。この日のプログラムは、バッハ、ショパン、リスト、ベルクの非常に高度な作品が並べられていましたが、石田さんは磨き抜かれたテクニックと高い分析力で、これらの魅力を巧みに表現されていました。

 リサイタルは、バッハ≪平均律クラヴィーア曲集 第1巻≫第3番 嬰ハ長調で幕を開けました。プレリュードとフーガ共に、綿密に考え抜かれていたばかりでなく、各声部の主題が様々な楽器で奏でられているかのように、豊かな演奏を聴かせて下さいました。続いて、リスト≪超絶技巧練習曲≫第12番<雪かき>です。雪がパラパラと舞うような様子から次第に力強く吹雪いてゆく感じまで非常に滑らかなタッチとフレージングで鮮明に描写されていました。ショパン≪スケルツォ第3番 嬰ハ短調Op.39≫では、情熱的な中にも洗練さを兼ね備えた演奏でした。特に、中間部でのコラール風の旋律に付随して現れる細かいパッセージの美しさは、まるで水面に光が差しているようで、筆者の印象に強く残りました。そして、前半最後のベルク≪ピアノ・ソナタOp.1≫では、不安定な調性による独特な響きが美しく表現されていました。

 後半はリストの作品で、≪詩的で宗教的な調べ≫第7曲<葬送>と≪ピアノ・ソナタ ロ短調≫が演奏されました。双方とも、壮大で物語性に溢れており、まるで交響詩を聴いているかのよう。また、音程が跳躍するときや和声の響きが変化するときなど、それがほんの些細な動きであっても、間の取り方や響きのバランスが絶妙にコントロールされ、最後まで非常にクオリティの高い演奏でした。

 アンコールは、ベートーヴェン≪ピアノ・ソナタ第16番 ト長調≫Op.31-1第1楽章とリスト≪超絶技巧練習曲≫第7番<英雄>を演奏して下さり、非常に充実したリサイタルとなりました。石田さんの更なるご活躍を期待しております。

(K.S)

  

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