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 ホーム(ニュース)> コンサート情報 > 2012年-2013年 > 久元祐子 ピアノ演奏法講座 > 第2回 開催レポート

KMAP
久元祐子 ピアノ演奏法講座
『続々々・一歩上を目指すピアノ演奏法』(全5回シリーズ)

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
第2回 2012年11月29日(木) 10:30〜12:30
「トルコ行進曲付き」徹底解剖 開催レポート

 

 長期にわたってご好評をいただいている久元祐子先生のピアノ演奏法講座。「一歩上」の洗練された音楽理解を求めて、今回も沢山の熱心な受講生の方々がパウゼに集まりました。モーツァルトの作品にとりわけ造詣の深い久元先生ですが、今回は彼のピアノ曲中でも人気の高い《ピアノ・ソナタイ長調KV331「トルコ行進曲つき」》について、たっぷり2時間お話しくださいました。

作曲時のモーツァルトの状況や、「トルコ」に対して当時のウィーンの人々が抱いていたイメージなど、作品の背景に関するご説明をふまえ、いよいよ実際の演奏法の解説に入っていきます。

長年のご研究に基づく深い知識と精密な読譜力に支えられた久元先生のお話を伺っていると、様々な疑問が一つ一つ取り除かれていきます。たとえば第一楽章には「アンダンテ・グラツィオーゾ(歩く速さで、優雅に)」との指示がありますが、実際に「優雅」にきこえるためにはどうすればよいのかについて、なぜそのように弾くとよいのか、どのようにしてそれを実現するのかという点まで丁寧に説明してくださいました。

先生のご解説にそって音程やハーモニー、アーティキュレーションを丁寧に追っていくと、今まで見逃していたような小さなディテールまでもがはっとするような美しさと説得力をもって立ち現われてくるのがわかります。オペラのワンシーンやオーケストラの響きにたとえたご説明も、一見シンプルな音楽にドラマティックな立体感と多彩なイメージを与えてくれるものでした。また急速な16分音符のパッセージやオクターヴの音型など、技術的に難しい場所についても、その都度手のポジションや移動の仕方などを具体的に示しながら明快にご説明くださり、「なるほど」と膝を打ちたくなる瞬間も。多岐にわたるお話の随所に、久元先生ご自身のきめこまやかで知的な演奏の秘密が垣間見えるようでした。

講座終了後も、指導や演奏の現場でぶつかる様々な問題について、受講生の方々から次々に質問が寄せられ、先生に対する皆様の信頼と期待の高さがうかがえました。

ピアノの演奏と指導のための実践的なヒントのつまった久元祐子先生の演奏講座、次回も楽しみです。

(N.J.)

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