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長瀬賢弘 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.22 》
2012年10月5日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 10月5日パウゼにて、『長瀬賢弘ピアノリサイタル』が開催されました。長瀬さんは2009年に東京藝術大学大学院を首席で修了され、現在は同大学院博士課程に在籍されています。その間の2006年から2011年までは、モスクワ音楽院にて研鑽を積まれていたこともあってか、プログラムは、ショパンの他にプロコフィエフやスクリャービンといったロシアの作曲家の作品も並べられていました。

 前半は、ショパン≪3つのマズルカ≫Op.59で幕を開けました。舞曲の持ち味を活かしながらも、時折複雑な色合いを帯びた和声や旋律の洗練された美しさが巧みに表現され、これらの要素が融合し独特な世界観が描かれていました。続いて、プロコフィエフ≪バレエ音楽「ロミオとジュリエット」による10の小品≫Op.75です。オーケストラのような多彩な音色と、バレエのステップを想わせるようなテンポ感や間の取り方などで、各曲の性格が鮮明に描写されていました。ピアノの持つ可能性の大きさを改めて感じさせられるようでした。

 休憩を挟み後半へ。スクリャービン≪幻想曲 ロ短調≫Op.28では、緩やかな曲線を描いて行くような息づかいと鐘が鳴り響くような響きが大変美しく、客席の皆様はうっとりと聴き入っておられるようでした。リサイタルの最後を飾るのは、ショパン≪ソナタ第3番 ロ短調≫Op.58です。各楽章とも音楽の方向性が上手く表されていただけでなく、旋律自体の持つ魅力が存分に表現された演奏でした。中でも、第3楽章の豊かで厚みのある響きは、まるでオルガンで奏でられるコラールを聴いているようで印象深かったです。

 卓越した音楽性と鋭い洞察力でこれらのプログラムを見事に弾き終えられた長瀬さんに、客席から盛大な拍手が贈られました。アンコールは、プロコフィエフ≪練習曲≫Op.2-3とJ.S.バッハ(ヘス編)≪主よ、人の望みの喜びよ≫を演奏して下さり、温かい響きに包まれながらリサイタルは幕を閉じました。長瀬さんの更なるご活躍を期待しております。

(K.S)

 

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