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古賀大路 ピアノリサイタル 開催レポート
《2011年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ 》
2012年10月2日(火) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 今夜のパウゼでは<2011年日本音楽コンクール入賞者シリーズ>古賀大路ピアノリサイタルが開催されました。昨年の日本音楽コンクールピアノ部門本選会でのラフマニノフの2番のコンチェルトの鮮烈な演奏が記憶に新しく、開場十分で満席になるなど熱気で溢れていました。プログラムはスカルラッティ、ベートーヴェン、シューマンとこの若きピアニストの実力に相応しい充実した内容でした。

 最初の演奏はスカルラッティの単一楽章ソナタから比較的有名な5曲。古賀さんはチェンバロのために作曲されたこの珠玉のソナタをピアノにおいて全く新しく甦らせていました。明瞭なタッチと快活なリズム。全体の曲作りも随所にセンスを感じさせる優雅なもので、「鍵盤を弾く楽しさ」がとてもよく伝わってくる演奏でした。

 続く演目はベートーヴェンのピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」。スカルラッティの新鮮な演奏に続き、聴きなれた冒頭部分の打鍵も古賀さん独特の軽快で清澄なリズム感によって新たな息吹が吹き込まれていました。フィナーレのコーダも壮大で圧巻でした。

 後半は一転してシューマンのアラベスクの非常に内面的でロマンティックな音楽によってはじめられました。この演目では、特にシューマンの音楽と共に古賀さんのナイーブで詩的な一面を垣間見ることができました。特にコーダの抒情的な音楽は素晴らしく、しばし時を忘れて美しいピアノの響きを堪能しました。

 コンサートの最後を飾るのは同じくシューマンの交響的練習曲。非常によく知られた華やかな作品ですが演奏者に超人的な情熱と集中力を要求する難曲でもあり、この気鋭のピアニストがどのようなチャレンジを見せるのかが聴きどころのひとつであったと言えるかもしれません。古賀さんの演奏はシューマンに対する深い共感と尊敬に満ちた素晴らしいものでした。

 「今日の自分があるのはそれを支えてくれる多くの方々のおかげです」とマイクを取ってお客様に初々しい感謝の言葉を伝えられた後、「皆様ずっとお座りになられていて大変だと思いますが・・・」(会場笑)とユーモアを交えながらアンコールを三曲も披露して下さいました。演目はシベリウスの小品集「樹の組曲」より樅の木とラヴェルの水の戯れ、そしてリストのラ・カンパネッラでした。いずれもピアノの繊細な響きを聴かせる大変優美な演奏で、熱気に溢れたコンサートに香り豊かな花を添えていました。

(G.T.)

 

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