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声楽家・高橋啓三 公開講座 開催レポート
豊かな音楽を生みだす呼吸法
講師:高橋啓三(バス・バリトン)
2012年11月27日(火) 10:30 開演(10:30〜12:30)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
第3回 歌唱演習

 

 

 11月27日、高橋啓三先生の〈声楽家 高橋啓三 公開講座 / 豊かな音楽を生みだす呼吸法〉に参加してきま した。今日はいよいよ最終回“歌唱演習”の日です。今までに_橋先生から伝授していただいた「こんにゃく体操」、「呼吸法」を復習し、本日はそれらを意識しながら《Caro mio ben》と《ふるさと故郷》を歌ってみました。朝早くからお集まりいただいた大勢の受講者の皆様は、先生の丁寧なご指導に熱心に耳を傾け、積極的に実践されていました。

 まず準備体操として、お馴染みの「こんにゃく体操」です。全身の筋肉を緩め、脱力状態へと身体を導きます。残念ながら紙面が限られていますので、詳細は第1回(2012年9月26日実施)の開催レポートをご参照下さい。次に実践したのは、「呼吸法」です。ポイントは、1)胸を張ってろっ骨を広げ、2) 胸筋、背筋、斜腹筋(腹斜筋)、でんきん臀筋を使って息をはき出し、3)それそれらの筋肉を戻しながら吸うこと。詳しくは、第2回(2012年10月31日実施)の開催レポートをぜひお読みになってみて下さい!

 さて、本日の後半には発声法の練習として、子韻(子音)、母韻(母音)、子韻+母韻の練習を行い、歌唱演習へと進みました。まず、舌、唇、歯の3部分のみを使い、子韻を発音していきます。舌と唇はブルブルと振動させ、歯は前歯の上と下を合わせ、息をはき出してみましょう。次は、母韻の練習です。広い母韻から狭い母韻へ、具体的にはi、u、o、a、e、iの順に、これらを滑らかにつなげて発音します。この時いきなりfで発声するとのど声になりやすく、声帯に負担かけてしまいますので、初めはpで、次第にクレッシェンドさせるのが練習のコツです。音色もまろやかになり、さらに音を鼻の上にのせることができます。そして、子韻+母韻の練習では、Do、Re、Mi、Fa、Sol、La、Siに音程をつけながら、発声します。この時最も大事なことは、1つ1つの音程を確立させ、個々の音に子韻をプラスさせること。このことをより意識するために、一度ディミヌエンドしてpにしてから次の音の発音に移るという効果的な練習方法を、高橋先生は教えて下さいました。

 発声法の実践を終え、いよいよ《Caro mio ben》を歌う時間がやって来ました!歌詞や単語の意味を確認し、さらに先生のお手本をまねて、イタリア語のもつ自然な流れをフレーズ作りへと活かしていきました。ここでは、1つのフレーズを歌いあげ、次のフレーズへの準備で次の音程やそのフレーズの意味を思い浮かべるようにと、先生は注意されました。驚いたことに、そうすることでたしかに自分の筋肉がピクリと反応しました。呼吸法が身に付いていれば、準備・意識することで呼吸法のスイッチが自然とONになり、自分の表現を助けてくれるのです。決して呼吸法やテクニックだけが独り歩きするのではなく、それらは表現を生み出すために後からついてくるものだということを、高橋先生は今日の講座の中で何度も強調されていました。そのためにも、普段の練習から意識することが重要ですね。

 盛り沢山の講座で、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。身体を動かし、声を出した後の表参道の景色は、いつもより色鮮やかに感じられたのではないでしょうか。

 (A・H)

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