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白石照男と門下生によるピアノジョイントコンサート開催レポート
2012年8月31日(金) 18:30開演( 18:00開場)
〜ハンディを乗り越え明日に向って羽ばたこう!〜
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 本日は、障害を持つ方にもっと音楽を楽しんでもらおうと熱心に研究されていらっしゃいます白石照男先生が、門下生のお2人とともにコンサートを開催されました。出演された中西さん、竹田さんの努力にエールを送ろうと、平日の開催であったにもかかわらず、たくさんのお客様がいらっしゃいました。

 最初に登場されたのは、白石先生。「慰め」という邦題で親しまれておりますリストのコンソレーションを演奏されました。6つの小さな楽曲から成る作品ですが、いずれの曲にも先生の優しいお人柄が滲み出ていました。とりわけ、左手の流れるような音型と右手の息の長い旋律が美しい第3番は、聴く人を安心させるような、心温まる演奏でした。

 次に演奏されましたのは、門下生の中西さん。生まれた時から全盲であるということで、白石先生と手を繋いでのご登場でした。しかしながら、ピアノに一度座れば、そんなハンディは感じさせない堂々たる態度で演奏をされていました。中西さんの持ち味は何と言っても、美しく澄み切った音色です。特にラフマニノフの前奏曲嬰ト短調では、星がまたたくような音を披露してくださいました。ドビュッシーの<月の光>では、その繊細な表現力に、お客様から感嘆の息が聞こえました。

 続けて登場されましたのは、幼い頃に自閉症の診断をうけたものの、音楽においては秀でた感性を示したという門下生の竹田さん。その音色はとても華やかで、今日演奏されました表情豊かなメンデルスゾーンやショパンに、とてもよく合っていました。そしてショパンのポロネーズ第1番では、華やかさに加えて、妖艶な表現も見せてくださいました。ソロの最後の演目でありました<別れの曲>は中間部がとても難しい曲ですが、1つ1つの和音に心を込めて演奏されていました。

 最後のプログラムは、白石先生、中西さん、竹田さんの共演による、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番でした。一生懸命に音楽を創る門下生のお2人と、それに精一杯応える白石先生の力を合わせた演奏に、会場全体が惹きこまれていました。特に、白石先生と中西さんによる第2楽章の哀愁ただよう雰囲気と、先生と竹田さんによる第3楽章の活き活きとしたリズム感が素晴らしかったです。

 終演後には感極まる白石先生の姿もあり、会場は大きな拍手に包まれました。音楽の素晴らしさをまた1つ知った、素敵な夜でした。

(A. T. )

 

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