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関野直樹&ファルカシュ・ガーボル
ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
関野直樹とその友人シリーズ No.2
2012年7月19日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
7月19日パウゼにて、ハンガリーの名門リスト音楽院で研鑽を積まれた二人のピアニスト、関野直樹さんとファルカシュ・ガーボルさんのピアノ・ジョイントリサイタル(関野直樹とその友人シリーズNo.2)が開催されました。前半は関野さん。最初に演奏されたのは、ベートーヴェン≪ソナタ「月光」≫Op.27-2です。鐘の音が厳かに鳴り響くような第一楽章では、移ろいゆく和声の絶妙な美しさが印象的。軽やかで心が躍るような第2楽章を経て、終楽章は、火花を散らすようなピリピリとした緊張感に息を呑むほどでした。続いて、民族音楽学者としても活躍したバルトークの作品≪ルーマニア民族舞曲≫です。独特な響きやリズムによる民族的な土臭さが生き生きと表現されていました。最後は、リスト≪死の舞踏 「怒りの日」によるパラフレーズ≫S.125(ピアノソロ版)です。この作品は、「死の勝利」という壁画をもとに作曲されています。そのすさまじい光景を彷彿とさせるような迫力に富んだ演奏は、まさに圧巻でした。
休憩を挟み、後半はファルカシュさんの演奏です。一曲目は、シューベルト≪即興曲≫Op.90-3。小川のせせらぎを思わせるようなアルペジオと伸びやかに表現された旋律が大変美しい演奏でした。次は、シューマン≪交響的練習曲≫Op.13です。ファルカシュさんの指先から紡ぎだされた奥行きのある豊かな音色は、まるでオーケストラの様々な楽器が鳴り響いているよう。非常にダイナミックな演奏を披露してくださり、ピアノの持つ表現の可能性を改めて感じされられました。そして、シューマン=リスト≪献呈≫では、華麗なパッセージに彩られた甘い旋律をドラマティックに表現。同じくリストの≪ハンガリー狂詩曲第12番≫S.244-12では、鮮やかな技巧で白熱した演奏を聴かせてくださいました。
最後は、お二人のデュオによるリスト≪ハンガリー狂詩曲第2番≫(二台ピアノ版・クラインミヒェル編)です。ぴったりと息の合った華麗な演奏に、客席から盛大な拍手が贈られました。
リストの作品を中心とした盛りだくさんのプログラムと素晴らしい演奏が堪能でき、充実したリサイタルでした。ありがとうございました。
(K.S)
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