トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

KSCO
上田智子&辻田祐希 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.21》
2012年7月6日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 7月6日パウゼにて、東京藝術大学大学院を優秀な成績で修了された二人のピアニスト、上田智子さんと辻田祐希さんによるジョイントリサイタル(東京藝術大学 表参道フレッシュコンサート Vol.21)が開催されました。この日はあいにくの雨天でしたが、会場にはたくさんのお客様がいらしており、お二人への期待の高さが伺われました。

 前半に演奏されたのは辻田さんです。曲目は、ショパンの≪即興曲第2番 嬰ヘ長調≫Op.36と≪ソナタ第3番 ロ短調≫Op.58の2曲。冒頭の≪即興曲≫は、和声の変化や装飾的なパッセージが大変美しく、行進曲風の中間部では躍動感があり音楽が前進する力強さを感じられました。続く≪ソナタ第3番≫では、先ほどの曲で聴かせてくださった響きの美しさや力強さに加え、各楽章ともしっかりとした形式感があり、均整のとれた端正な演奏を披露して下さいました。

 後半は上田さんの演奏で、リストの作品が2曲です。最初に演奏されたのは≪巡礼の年第2年 イタリア≫より<ペトラルカのソネット第104番>S.161です。この作品は自作の歌曲から編曲されたものですが、上田さんの演奏からは歌の息づかいや抑揚などが感じられ、実際に歌手が朗々と歌っているようでした。続く≪ソナタ ロ短調≫では、この作品の核になっているモティーフが、あるときは天上的な美しさで、またあるときは悪魔が嘲笑っているような表現をされ、まるで交響詩を聴いているかのようにドラマティックな演奏を聴かせて下さいました。

 アンコールはお二人による連弾で、ガーシュウィン≪ラプソディー・イン・ブルー≫です。明るくはじけるような演奏に客席から盛大な拍手が贈られました。素晴らしい演奏を聴かせてくださったお二人の更なるご活躍を期待しております。

(K.S)