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クロイツァー記念会 第36回例会
クロイツァー賞受賞者による演奏会 開催レポート
2012年7月4日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:
津田ホール

  

 本日、津田ホールにてクロイツァー賞受賞者による演奏会が行われました。クロイツァー賞は、故レオニード・クロイツァー教授の功績を記念するために制定されたもので、東京芸術大学と国立音楽大学、武蔵野音楽大学、それぞれの大学院のピアノ専攻を修了した学生の中から、特に優れた成績をおさめられた方に贈られます。2011年度の受賞者は、宮岡緑さん、竹中千絵さん、増田桃香さん。今日の演奏会に先立って、カワイ音楽振興会のホームページには三人からのメッセージが寄せられていました。

 一人目の演奏者は、国立音楽大学大学院の修士課程を修了なさった宮岡緑さんです。曲目は武満徹《リタニ――マイケル・ヴァイナーの追憶に――》とベートーヴェン《ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調》Op. 111。毛色の異なる作品ですが、それぞれの世界観がうまく打ち出されていました。とくにベートーヴェン《ピアノ・ソナタ 第32番》は、宮岡さんの「生涯かけて研究し続けたい作品」というだけあって、大変聞き応えのある演奏でした。この精神的な深みをもった音楽が、これからどのような変化を遂げていくのか楽しみです。

 続いて、武蔵野音楽大学大学院のヴィルトゥオーソ・コースを修了なさった竹中千絵さんの演奏です。曲目はシューマン《交響的練習曲》Op. 13。ポリフォニックな響きの紡ぎだす華麗な音楽が、竹中さんの華やかな印象にとても合っていると思いました。演奏のテクニックも極めて高く、一つ一つの音に細やかな意志が感じ取られました。

 ラストを飾ったのは、東京芸術大学大学院博士後期課程に在籍中の増田桃香さん。「ラフマニノフの音楽とロシア聖歌――ピアノ・ソナタ第1番 作品28を中心として―」というテーマで修士論文を執筆なさったというだけあって、増田さんはラフマニノフの作品に造詣が深い演奏家です。曲目はまさに研究で扱われた《ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調》Op. 28。知識に裏付けされた堂々たる演奏で、音楽の世界に聴き手を引き込んでいくエネルギーが圧倒的でした。

 (A. N.)

 

 

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