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ロシアン・ピアノスクール in 東京 10周年記念
第6回ランチタイムコンサート 開催レポート
出演:花田えり佳
2012年6月14日(木) 12:00開演(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
6月14日(木)、〈ロシアン・ピアノスクール in東京〉10周年を記念して、受講生によるランチタイムコンサート(vol. 6)が開催されました。本日のピアニストは、2009年に桐朋学園大学研究科を修了された花田えり佳さんでした。今日のコンサートは花田さんの魅力を次々に知ることのできた1時間でした。高度なテクニック、幅広い強弱、安定感、上品さ、そして深みのあるロマン溢れる音色…。それらが互いに作用し合うことで、多彩な表現となり、生命感のある音楽が私たちのもとへ届けられました。
スカルラッティ《ソナタ》K. 87/L. 33では、花田さんの自然な歌い回しこそが、シンプルな旋律の美しさを引き立てていました。また、ハイドン《ピアノ・ソナタ 第31番》Hob. HVI/46の第2楽章や、リスト《アレグリの「ミゼレーレ」とモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」によるシスティーナ礼拝堂にて》S. 461の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」部分では、弱音でも表情を失うことなく、磨きのかかった繊細な音に心が浄化されるようでした。その一方で、「ミゼレーレ」部分や本日最後のリスト《スペイン狂詩曲》S. 254では、力強い音やドラマティックで濃厚な響きを聴くこともでき、花田さんの多彩な表現力に圧倒されるばかりでした。
そんな素晴らしい演奏を聴かせて下さった花田さんには、お客様から惜しみない拍手が送られ、ラフマニノフ《プレリュード》op. 23-4とラフマニノフ=ワイルド《なんて素晴らしい場所》をアンコール後、コンサートは閉幕となりました。今後が非常に楽しみなピアニストです。
(A・H)
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