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大塚 彩&小畑真梨子 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
くにたちサロンコンサート in 表参道シリーズ Vol.13
2012年5月17日(木) 19:00開演( 18:30開場)
協賛:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 『くにたちサロンコンサートin表参道シリーズ』の第3回目、演奏者は国立音楽大学器楽学科ピアノ専攻を卒業なさった大塚彩さんと小畑真梨子さんです。本日のコンサートには、様々な時代・国の音楽が組み込まれた色取り取りのプログラムが用意されました。

 大塚彩さんが祈りを捧げるような面持ちでバッハ=ブゾーニ《シャコンヌ》を弾き始めると、開演前は賑やかだった会場の雰囲気も一変して神妙な空気に包まれました。この曲はバッハの《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番》の最終楽章をブゾーニがピアノ用に編曲したもので、両者の深き精神性が融合した名曲です。続けて演奏されたのは、フランク《プレリュード、フーガとヴァリエーション》Op. 18。元々オルガンのために作曲されたというだけあって荘重な響きが作品の内奥から滲み出てくるような作品です。最後には、グバイドゥーリナという現代ロシアの作曲家による《シャコンヌ》を弾いてくださいました。三曲ともに目を瞑ってじっくりと耳を傾けたくなるような精神的な深みを孕んだ作品ですが、大塚さんはそれを上手く引き出した演奏を聴かせてくださいました。

 休憩をはさんで、後半は小畑真梨子さんです。はじめに、バッハ《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より第21番と第22番、ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ》Op. 31-2「テンペスト」を弾いてくださいました。バッハの《平均律クラヴィーア曲集》が「旧約聖書」、ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》は「新約聖書」と例えられるほど両者はピアニストにとって大切なもので弾く者の有り様を映し出す鏡のようなところがあります。それに怖気付くことなく小畑さんは自らの美しい歌を紡ぎ、堂々と聞かせてくださいました。続いて、フォーレ《即興曲 第2番》Op. 31と《即興曲 第3番》Op. 34が演奏されると、これまでの重厚感のあるプログラムに爽やかな風が舞い込んできました。小畑さんはフォーレの鮮やかな色彩感を音楽に嵌め込んでいく華をもったピアニストです。最後は、ラストにふさわしいラフマニノフ《楽興の時》Op. 16-4をドラマティックに弾いてくださいました。

 演奏会を締め括ったのはドビュッシーの《小組曲》より〈メヌエット〉〈バレエ〉。連弾版をお二人で演奏してくださいました。

(A. N.)

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