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まつきとわたるとはなこのトリオ in 表参道 Vol.1 開催レポート
2012年4月18日(水) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 本日はピアニストの松木和将さん、ヴァイオリニストの上里はな子さん、チェリストの向井航さんによるトリオコンサートが開催されました。クラシック音楽の世界ではもちろんのこと、ポピュラー音楽においても数々の名アーティストと共演経験があり、CDも数多くリリースしていらっしゃるというお三方による演奏は、聴き手をぐっと引き込むような勢いと、豊かな表現力が魅力的です。プログラムは、日本でも人気なロシア人作曲家チャイコフスキーの大作である、ピアノ三重奏曲「偉大なる芸術家の思い出に」を中心に、やはり日本でとても人気のある作曲家ラフマニノフのピアノ作品、さらに時代をぐっと遡ってモーツァルトのピアノ三重奏曲を組み合わせたものでした。

 まず驚くべきだったのは、最初に演奏されたモーツァルトのピアノ三重奏曲の爽快さでした。モーツァルトの作品はとても澄み切ったハーモニーで構成されており、その美しさを全く汚すことなく再現するのは非常に難しいことですが、お三方の演奏はまさに「一点の曇りもない青空」のような活気と鮮やかさに満ちていました。

 次は松本さんのソロによるラフマニノフ作曲《前奏曲》ト短調と有名な《ヴォカリース》でしたが、今度はモーツァルトの時とはがらりと変わって、心の内に燃え上がった炎のような、情熱的な演奏が印象的でした。前奏曲のスリリングな曲創りと、静かに訴えかけるようなヴォカリースの表現が、また対照的で素敵でした。

 ラストにしてメインの演目であったチャイコフスキーのピアノ三重奏曲は「圧巻」の一言に尽きました。特に第2楽章(続いて第3楽章)である変奏曲は、19世紀までに登場した色々なジャンルを全て1つの変奏曲としてまとめてしまったような長大な楽曲で、演奏時間も30分はありますが、お三方は1つ1つの変奏部分の性格を巧みに描き分けており、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

 こうして今晩の素晴らしいトリオコンサートは、たくさんの拍手の中幕を閉じました。演奏されたお三方にとっても、お客様にとっても、喜ばしい春の1日だったのではと思います。

(A. T. )

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