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北川曉子&靖子 サロンコンサート vol.9 開催レポート
〜ドビュッシーの夕べ〜
2012年
4月10日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ

  

 4月10日、満開の桜と柔らかな日差しの下で、まさに春爛漫の東京。表参道のコンサートサロン「パウゼ」では、北川曉子さんと靖子さんご姉妹による、ピアノとヴァイオリンのコンサートが開催されました。「パウゼ」での演奏会も早9回目となるお二人。今回は、今年生誕150周年を迎えるクロード・ドビュッシーの作品を中心とする名曲ぞろいのプログラムです。日々の雑事を離れ上質の音楽にそっと耳を傾ける時間、その貴重さを実感させてくれる、しっとりと落ち着いた雰囲気の演奏会となりました。

 コンサートの幕開けは、ドビュッシー晩年の傑作、《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》。線の太いヴァイオリンの旋律に、古風な趣をもつピアノの和音が絶妙な色合いを添え、起伏に富んだ音楽が展開されます。

 つづいては曉子さんによるピアノ独奏で、同じくドビュッシーの《ベルガマスク組曲》です。即興演奏のような自由さと大胆さをもって弾き始められた第1曲の〈前奏曲〉。ぴりりとした独特の魅力をもつ第2曲〈メヌエット〉から一転、パステル画のようなやわらかなタッチで奏でられた第3曲の〈月の光〉では、瞬く間に甘い夢幻の世界に誘い込まれました。軽やかな〈パスピエ〉(第4曲)を経て、前半の最後を飾ったのは、ヴァトーの名画『シテール島への船出』に霊感を受けて作曲されたという《喜びの島》です。きらきらと輝くピアニスティックなパッセージと心浮き立つような躍動的なリズムは、まさしく生の喜びに充ち溢れるようでした。

 演奏会後半は再びデュオでの演奏で、ベートーヴェンの大曲、《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」》。窮屈なしばりから解き放たれ、音楽の大きな骨格やうねりを的確にとらえたお二人の演奏は、確かなヴェテランの風格を感じさせるものでした。自由でありながら息の合ったそのパフォーマンスに、会場からは惜しみなく温かい拍手が送られました。

 ご姉妹によるサロンコンサートのシリーズ、次回もとても楽しみです。

(N.J.)

 

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