トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2012年 > 三宅麻美&N響メンバーによる ベートーヴェン 室内楽シリーズ Vol.4 > 開催レポート

三宅麻美&N響メンバーによる
ベートーヴェン 室内楽シリーズ Vol.4 開催レポート
〜全ピアノ・トリオ、ヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ〜
2012年
4月9日(月) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 本日のコンサートは、『三宅麻美 & N響メンバーによるベートーヴェン 室内楽シリーズ』の第4回目。ピアニストとしてご活躍なさっている三宅麻美さんと、NHK交響楽団の団員である林智之さん(ヴァイオリン)、西山健一さん(チェロ)の共演です。

 前半のプログラムは、ベートーヴェン《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》の第4番(イ短調)と第5番(へ長調)。この二つの作品は対照的な要素をもったソナタなので、続けて聴くと各々の個性がより際立ちます。先に演奏されたのは第4番でした。林さんの奏でるヴァイオリンは緩急の付け方が見事で、音の密度が引き締まったままで進むところもあれば、少し緩みを持たせながらも細い糸を絶妙な力加減で紡いでいくところもあり、聴き手を飽きさせることがありません。

 続けて演奏された第5番は、その親しみやすさから後に「春」と呼ばれるようになった作品です。数年前にテレビドラマで取り上げられたこともあり、ベートーヴェンの残した10曲の《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》の中でも特に有名なものになりました。冒頭でヴァイオリンの奏でる伸びやかで開放的なメロディが心に残りやすい点が人気の秘訣と言えるでしょう。このメロディはヴァイオリンが奏した後にピアノへと受け継がれていくのですが、三宅さんのピアノからも甘く溶けそうなメロディが引き出されて、聴いているだけで春らしい明るい気分になりました。

 後半からは、チェロの西山健一さんが加わって《ピアノ三重奏 第6番 変ホ長調》Op. 70-2が演奏されました。チェロが入るだけで前半とはまた毛色の違うアンサンブルになり、演奏も端正でバランスのとれた印象が強まりました。西山さんのチェロは主張しすぎず、それでいて存在感のあるもので、そのストイックな優しさが魅力だと思いました。

 アンコールには、もちろんベートーヴェンの《ヘンデルのオラトリオ ”ユダス・マカベウス”のテーマによる12の変奏曲》が演奏されました。この曲のテーマは表彰式でよく耳にする旋律なので、馴染みのあるメロディが変奏されていく様にお客様も聴き入っていらっしゃいました。

(A. N.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2012年 > 三宅麻美&N響メンバーによる ベートーヴェン 室内楽シリーズ Vol.4 > 開催レポート