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ピアノレパートリー 講座 Vol.6 開催レポート
「やさしい北欧のピアノ作品」
2012年3月23日(金) 開場10:00 開講 10:30 (10:30〜12:30)
講師:
南雲竜太郎
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 本日、ピアノ・レパートリー講座の第6回目「やさしい北欧のピアノ作品」が行われました。講師はピアニストの南雲竜太郎先生で、北欧の作曲家による魅力的な小品を演奏とともに紹介してくださいました。

 ニルス・ウィルヘルム・ガーデ(1817-1890)はデンマーク出身ですが、ライプツィヒ音楽院でメンデルゾーンに師事し、シューマンとも親交のあった作曲家です。その影響は色濃く、先生の弾いてくださった《幻想小曲集》Op. 41の第1番〈森にて〉と第2番〈ミニヨン〉は、どちらもドイツ独特のロマンティシズムが感じられる作品でした。

 ジャン・シベリウス(1865-1957)は、フィンランドを代表する作曲家です。先生のお話によると、ロシアに支配されていたフィンランドが独立国として成立して以来、シベリウスは音楽にも「国民性」を織り交ぜるようになったといいます。今日は《5つの小品》Op. 85の第3番〈あやめ〉、《8つの小品》Op. 99の第3番〈思い出〉と第7番〈ワルツの時間〉、《5つのスケッチ》Op. 114の第5番〈春の幻影〉を紹介してくださいました。

 オスカル・メリカント(1868-1924)もフィンランド出身の作曲家ですが、スウェーデン人の両親の元に育ち、シンプルで素朴な小品や歌曲をたくさん作って、フィンランドではシベリウス以上に人気を得たといいます。先生は《ショパン風のワルツ》Op. 6-5と《夏の夜の牧歌》Op. 16-2を弾いてくださいました。

 エルッキ・メラルティン(1875-1937)は、フィンランド東部、カレリア地方のキャサミルで生まれた作曲家です。配布された資料によると、メラルティンの作品は「振幅の大きな激しい感情表現が特徴」とされているそうです。演奏された《悲しみの園》Op. 41の第4番〈雨〉は、心を掻き乱すような音の粒が散りばめられた楽曲でした。

 セリム・パルムグレン(1878-1951)は「北欧のショパン」と形容されることもあり、繊細なハーモニーと美しいメロディ、印象派的な色彩感をもった作品をつくりました。先生が紹介してくださった作品は《粉雪》Op. 57-2、《フィンランドの歌と踊り》の第3番〈ある夏の夜〉、第4番〈森の木々はささやく〉、《太陽と雲》Op. 102の第9番〈夏の最後のバラ〉と第11番〈裸の木々〉です。とくに〈裸の木々〉は、つらく長い冬を予感させて第12番の静かな世界へと誘う楽曲だというお話を聞いて、この曲集全体を通して聴いてみたいと思いました。

 ヘイノ・カスキ(1885-1957)はフィンランド東部、カレリア地方のピエリスヤルヴィに生まれた作曲家で、デリケートな性格ゆえに繊細な美しさをもった作品を多く作りました。今日、演奏してくださったのは《夜の海辺にて》Op. 34-1、《夏の夜》Op. 38-1、《前奏曲 h-moll》Op. 48-1(通称:激流)でした。会場にいらした男の子は「激流」を弾きたくて、今日の講座にお母様と一緒に参加してくださったようです。この曲はコンクールでもよく取り上げられる作品で難しそうに聞こえますが、お子様にとっても比較的弾きやすい作品であると、先生は仰っていました。

 今日の講座で、普段あまり接しない北欧の世界に触れることができました。これを機に、レパートリーの幅も広げてみたいと思います。

(A. N.)

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