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KSCO
宮下朋樹&武田幸治デュオリサイタル 開催レポート
〜ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ連続演奏会シリーズ Vol.2〜
2012年3月9日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
3月9日の晩、ピアニスト宮下朋樹さんとヴァイオリン奏者武田幸治さんのデュオリサイタルが開かれました。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを連続演奏するこのシリーズは昨年の5月に始まり、そのときには第1番を演奏しました。今回は、第4番と第5番をメインにしたプログラムです。ステージに燕尾服で現れたお二人は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第4番の演奏を始めました。イ短調の主和音とともに激情が走るような冒頭部分は、息ぴったりにとめどなく流れていきます。ヴァイオリンの力強い、時折せつなくなるような音色は、それに付けるピアノのハーモニーと合わさって音楽を進めて行きました。〈春〉というタイトルで知られる第5番では、愛らしいヘ長調らしい旋律がのびやかに歌われていました。ヴァイオリンとピアノの右手が交互に旋律を弾くところや、両者が一定の音程で重なるところでは親密なアンサンブルを感じ、聴いていてとても心地よく感じ入りました。
休憩後には、少し雰囲気を変えてドビュッシーのヴァイオリン・ソナタの演奏です。緊張感のある張り詰めたヴァイオリンの音色と、それを和らげるかのようなピアノの包容力ある音色が一体となっていました。特に終楽章での切迫した展開をするところでは音楽にのみこまれそうな雰囲気に身をゆだねて聴きました。
アンコールには、マスネの〈タイスの瞑想曲〉、バルトークの〈ルーマニア民俗舞曲〉、そしてフランクのヴァイオリン・ソナタの終楽章を演奏してくださり、終演となりました。次回は11月2日(金)にベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調を演奏予定とのこと、楽しみです。
(T.)
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