トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2012年 > 桐朋学園表参道サロンコンサート > 金平夏花 ピアノリサイタル > 開催レポート

KSCO 
金平夏花 ピアノリサイタル 開催レポート
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズVol.16》
2012年2月22日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 2月22日(水)、「金平夏花ピアノリサイタル」《桐朋学園表参道サロンコンサートシリーズvol. 16》を聴きに行ってきました。前半にバッハ《半音階的幻想曲とフーガ》BWV 903、ベートーヴェン《ピアノソナタ第23番》「熱情」op. 57、休憩をはさんで後半にショパン《24の前奏曲》op. 28というプログラミング。大曲がずらりと並んだプログラムだけに、どんな演奏を聴かせて下さるのか、とても楽しみに表参道へ向かいました。

 本日のピアニストの金平夏花さんは、桐朋学園大学音楽学部卒業、現在同大学研究科2年に在籍中の若手ピアニストです。19時を過ぎて、ゴールドのドレスをまとった金平さんが舞台に登場。本日1曲目のバッハを弾き始めるまでの緊張感漂う静けさの中で、金平さんの集中力が次第に高まっていくのを感じました。バッハでは、金平さんのクリアなタッチによって生み出された1音1音が、大きな流れやうねりとなり、生命感のある演奏を楽しむことができました。

 ベートーヴェン自身の内にうずめく葛藤や絶望感を表現しているかのような「熱情」。しかし、そればかりでなく、金平さんは暗闇に時折差し込むほのかな光や平穏な世界を捉えていたように思います。また、第2楽章でのpでありながらも、豊かな表情をもった艶やかな音色は、まさに絶品。動と静によってもたらされたドラマチックな演奏に、大きな拍手が湧き起りました。

 ショパン《24の前奏曲》は、バッハの平均律クラヴィーア曲集を意識して、24全ての調で書かれた24曲からなる作品です。個々の曲が高い芸術性を秘め、練習曲並みの技巧を駆使した曲から、ノクターンのような旋律美を聞かせる曲まで、実に多様なキャラクターを持ち合わせています。性格の大きく異なった全24曲を、各曲間の間(ま)の取り方や、テンポや音色の工夫によって、1つの作品としてまとめ上げていた金平さん。すぐれた構成力を感じずにはいられませんでした。

 アンコールには、ショパン《ワルツ第6番》op. 64-1「子犬のワルツ」と《ノクターン》op. 9-2を演奏して下さり、コンサートは幕を閉じました。金平さんの今後のご活躍が楽しみです。

(A・H)

 

 

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2012年 > 桐朋学園表参道サロンコンサート > 金平夏花 ピアノリサイタル > 開催レポート