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伏木 唯ピアノリサイタル 開催レポート
《2010年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ 》
2012年2月17日(金) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 一年でもっとも寒い時期ですが、心温まるコンサートを表参道パウゼで聴きました。2010年に行われた日本音楽コンクールで入選した伏木唯さんのピアノリサイタルです。今回の使用ピアノ、カワイフルコンサートグランドピアノと日本音楽コンクール入賞者がどのようなコラボレーションを繰り広げるのか楽しみです。

 伏木さんが、春を思わせる若草色のドレスで登場すると、会場はふんわりとした優しい雰囲気に包まれました。プログラムはモーツァルト、ラヴェル、ショパンというレパートリー。まずはモーツァルトのピアノ・ソナタ第10番ハ長調(K.330)の演奏で、シンプルな感情を表現しました。第1楽章の中間部や第2楽章においても短調の要素が少ないこの曲で、はちきれんばかりの明るさやテンションの高さ、楽しさが曲を通して伝わってきました。次はラヴェルの《夜のガスパール》です。こちらは演奏者が絵を描くかのような作品で、聴きながら伏木さんの描く絵を楽しむようでした。〈オンディーヌ〉や〈絞首台〉では金属音が冷たく鳴り響き、〈スカルボ〉では奇妙で邪悪とさえ思えるイメージを演奏からもらったのが印象的でした。

 後半はショパンの12の練習曲(Op.25)の全曲演奏です。リサイタルで改めて通して聴いて見ると、各曲を難なく弾くことがいかに大変なことか、しかも12曲を弾ききるにはかなりの体力が必要であることに気づかされます。とはいえ、流麗なアルペッジォが聴く者を癒す第1曲〈エオリン・ハープ〉で、はやくもショパンの世界に聴き手を引き込んでいきました。最後の3つの短調も、圧倒的に大きなフレーズ感と素晴らしい技術力で完璧を演じ、フィナーレを飾りました。客席からは拍手が鳴り止まず、何度も伏木さんを呼び戻しました。

アンコールにはリストの〈夢のなかに〉を弾いてくださいました。伏木さんの持ち味の優しい雰囲気を最後に聴かせていただき、優しい気持ちになってコンサート会場を後にしました。伏木さんの今後のご活躍を楽しみにしています。

 (T.)

 

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