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片田愛理 ピアノリサイタル 開催レポート
東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.17
2012年
2月14日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 〈東京音楽大学 表参道 サロンコンサート〉シリーズの第17回は、同大学ピアノ演奏家コース1年に在学中の、片田愛理さんのリサイタルです。

 大学1年生にして、新進ピアニストとして歩み始めている片田さん。若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール(倉敷)、スクリャービン国際ピアノ・コンクール(パリ)など、国内外のコンクールで入賞を重ね、直近では、2010年第16回ショパン国際ピアノ・コンクールに最年少で参加、二次審査まで進んでディプロマを取得しています。昨年、2011年4月にフランス・パリのコルトーホールで初の海外リサイタル、7月には当サロン、表参道パウゼでデビュー・リサイタルを開催しました。

 そんな清新な活躍をみせる片田愛理さんの、当夜の演奏は──。

 冒頭は、バッハの「平均律クラヴィア曲集 第2巻より、第21番 変ロ長調」。この日、外は冷たい霧雨が降っていたのですが、冷えた心と体を解きほぐすやさしい調べ。平和なメロディーが自然にすっと入ってきました。

 2曲目は、ベートーヴェンの「ソナタ 第28番 イ長調」。清楚な歌から幻想的な展開を経て、ついには力強い高みへ。桁外れの世界観です。

 前半の最後は、ラヴェルの「夜のガスパールより“オンディーヌ”」。水の精オンディーヌの激しい恋心と、水滴、激流などの水の変容が、神秘的に表現されました。

 後半の最初は、アルベニスの「イベリア第1集より“エヴォカシオン”」。ノスタルジックに綴られていく、スペインの魂。片田さんの個性が光ります。

 最後は、シューマンの「クライスレリアーナ」。情熱、ロマンティシズム、愛、安らぎ、静謐…。次から次へと展開するスケールの大きな音楽に、息を呑みました。

 アンコールは、ショパンの「エチュード 作品25-6」。美しく流れるメロディーは、3度の難しさを感じさせません。

 意欲的なプログラムを、見事に弾ききった片田愛理さん。そのみずみずしい演奏に、大きな拍手が送られました。

H.A

 

 

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